各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
皆様と共に考えます。お声をお聞かせください。
中小企業家同友会会員企業の皆さまには、日頃より、私ども信用保証協会をご利用頂き、先ずは厚く御礼申し上げる次第でございます。
私ども信用保証をご利用頂けるのは中小企業の方に限られますが、現在、お客様の数は約18,800の個人事業主、企業にのぼり、割合で言えば、県内中小企業の約三分の一の方々にご利用頂いていることになります。ただ、保証の申し込みは、基本的には融資を申し込まれた金融機関の方が行われるので、私ども協会の職員が直接お目にかかる機会は少なく、いきおい、多くの企業経営者の皆様方にとっては、信用保証協会はなじみの薄い存在ではなかったかと思います。
しかしこの数年、リーマンショック後の「緊急保証制度」のご利用、中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予等のご相談、特に、複数の金融機関からご融資を受けられている場合の返済猶予等を、私ども信用保証協会が事務局となって金融機関間の調整をさせて頂く、いわゆる「ネットワーク会議」のご利用、さらには、私どもが開催しているいろんな相談会の開催や、経営改善計画を策定されようとする場合に専門家の派遣をさせて頂いていることなどで、随分、協会の役割について知って頂けるようになってきました。
私ども信用保証協会は、保証することで企業の方々の資金調達を円滑にすることですが、これはあくまで手段であり、私どもは、信用保証を通して中小企業の方々の経営をいろんな面から支援することを目的に設立された公的な機関です。
この3月で中小企業金融円滑化法の期限到来を迎えるにあたり、多くの中小企業の方々にご心配を頂いてきました。私どもや金融機関は、機会あるごとに「ご心配なく。これまでと何ら変わることはありません。」と申し上げて参りましたが、なかなかご不安を解消して頂けませんでした。これは私どもの努力不足でもあり、安心して相談にお越しいただけるような人間関係を、十分つくってこなかったという事でもあろうかと思います。今、私どもや県下各金融機関の窓口には、「皆様と共に考えます お声をお聞かせください」と大きく書かれたポスターを掲示させて頂いております。これは私どもが事務局を仰せつかっている「ネットワーク会議」において、各金融機関と私どもとが一緒に作成し、掲示させて頂いているものです。
中小企業金融円滑化法があろうとなかろうと、経営者の方々の良きご相談相手になりながら、資金繰りについては勿論、販路拡大や経営改善に少しでもお役に立つ情報をご提供することは、私どもなり各金融機関の本来の責務であります。しかし一方で、昨年末に県が実施したアンケート結果をみると、「金融機関からの経営アドバイス・情報提供」を希望される企業さんの割合は、残念ながら小規模の企業さんほど少ないという現実があります。
企業の皆さん方、日頃の経営のご相談相手はどなたでしょうか?中小企業を取り巻く経営環境はますます厳しくなるでしょう。中小企業の経営者の方ほど、信頼のおける相談相手、ビジネスアドバイザーの存在が必要になって参ります。私ども信用保証協会も、企業の皆さん方からビジネスパートナーの一人とお認め頂けるよう努力して参ります。
2013年4月号掲載
熊本県信用保証協会 会長
中川 芳昭
昭和26年4月8日生
49年3月九州大学法学部卒業、
4月熊本県庁入庁、
平成17年4月商工観光労働部次長、
20年4月東京事務所所長、
21年4月商工観光労働部部長、
24年3月熊本県庁退職、
24年6月熊本県信用保証協会会長就任
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