各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
水とみどり豊かで人安らぐ「夢・創造」のまちづくりを目指して
今年3月の東日本大震災で被災された多くの方々に、心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を願うものでございます。また、台風12号とそれに続く台風15号が猛威をふるい、各地域で甚大な被害を及ぼしました。尊い命を落とされました皆様に哀悼の意を表すとともに、風水害により貴重な財産を失くされました方々にも、一刻も早く日常の生活に戻ることが出来ますようお祈り申し上げます。
しばしば、自然の脅威が続く時、人間は何と無力なものであろうと痛感せざるを得ません。中小企業家の皆様にとりましても、大震災に続く原発事故、その後の円高による日本経済への影響が及ぼす厳しい経営状況は、少なからずあろうかと推察いたします。早急に恒久的な景気の回復を望むものです。
さて、益城町は、超高齢化・少子化対策や、定住人口の増加を目指し、さまざまな対策に取り組んでおり、その一部を紹介いたします。まず少子化対策として、保護者の皆様が安心して子育てができるよう、乳幼児期から中学3年生までの医療費の自己負担の全額助成を行っております。また、保育所待機児童の解消に向け、平成24年度に私立認可保育園が1園開園する見込みとなりました。高齢化問題については、既存の介護施設の拡充、新規施設の増設が行われ、民間事業者と共に「老後も安心して地元で暮らせる町」となることを目指しています。少子化対策を含めた定住人口の増加を図る目的で、平成23年度に「益城町定住促進補助金交付要項」と「益城町賃貸住宅家賃補助金交付要項」を定めました。一定の条件を満たす者が、住宅を新築若しくは購入又は、賃貸住宅に入居した場合、補助金を交付いたします。更にはより一層の住民サービスの向上を図るべく、今年2月から住民基本台帳カードを利用し、各種証明書の交付を役場玄関前の自動交付機や、コンビニエンスストアに設置されている、多機能端末機で交付を受けることができる取り組みを実施しています。
益城町は今、大きな転換期を迎えようとしております。待ちに待った大企業の進出です。平成20年に工場立地協定を締結したものの、世界的な同時不況の影響で業績悪化により進出計画を凍結していた、大日本スクリーン株式会社が今年6月に進出計画を再開し、いよいよ操業に向けて始動します。阿蘇くまもと空港周辺の活性化と就労の場の確保が図られ、新たな町の賑わいと、ひいては少子化への歯止めがかかるものと大いに期待しているところです。また、今年8月には「空港で結ぶ都市間交流」を実施いたしました。大阪府豊中市からの訪問を受け、大阪国際空港が立地する豊中市と、阿蘇くまもと空港が立地する益城町が共通の認識に立ち、今後、スポーツや文化、事業所等の相互交流、産業や観光振興の相互協力、さらには災害時の相互応援や空港を活かしたまちづくりに関する事業などで、友好を深めていくことで意見交換をおこないました。これを機会に、友好都市提携にも積極的に取り組みたいと思っております。
近年日本は、百年に一度千年に一度と言われる程の災害に直面しています。行政は、住民の生命と財産を守るべく、努力を惜しんではならないと思っております。今後は本年策定いたしました第5次益城町総合計画に基づき、住民のほこりと幸せ、愛のあふれる町を目指して、自然や文化に育まれた、心のかよう町づくりを目指す所存でございます。
同友会におかれましても、今後の大いなる発展を、心から祈念するものでございます。
2011年11月号掲載
益城町 町長
住永 幸三郎
昭和15年12月25日生まれ、
県立御船高等学校卒業、昭和53年住永企業城東自動車センター設立、61年10月熊本県中古自動車販売協会会長、
平成4年5月日本中古自動車販売協会筆頭副会長、7年10月日本自動車厚生年金基金理事長、18年5月益城町長、
22年5月益城町長(2期目)平成10年10月運輸大臣表彰、14年5月
藍綬褒章受賞
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