各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
中小企業の振興に向けて
2007年の米国のサブプライムローン問題を発端とした世界同時不況は、本市に立地する企業にまで影響が及んでいるところです。また、市を取り巻く社会構造は、少子高齢化とそれに伴う医療や介護、年金問題、産業形態の変化、企業活動のグローバル化など、依然多様化・高度化する傾向にあります。先行きも不透明ではありますが、その動向を的確に見極め、必要な施策の展開を確保すべく、効率的な行財政運営に努めております。
■中小企業の振興
長引く景気低迷により、市内の企業の受注量・売上高は減少している現状にあります。
また、人口減少や少子高齢化の進展に伴い、地域社会の担い手や労働者不足が予測されます。
一方で、近年の経済状況の急激な悪化により失業者の増加や雇用機会の減少が見られます。特に、若者の就職率が低下し、フリーターやニートが増加しており、そのため地域で雇用が創出される雇用対策が必要となっています。
本市では、平成20年3月に中小企業の健全な発展を図るため「菊池市中小企業振興基本条例」を制定いたしました。この条例の基本方針としては、中小企業者自らの創意工夫と自主的な努力を尊重しつつ、中小企業者、市、市民が一体となって、国、県その他関係機関との連携の下、環境との調和に配慮した総合的施策を推進することとしております。
具体的な取り組みとしては、中小企業の経営の安定化を図るための融資の支援を行っております。また、若者の定住を促進するため、地場産業や誘致企業への地元雇用を支援しており、失業者に対しては、早期自立を目指し、厚生労働省・県労働局・ハローワークなどとの連携により、雇用対策を推進しております。
一方、情報通信ネットワークの進展に伴い、「光ブロードバンド」の整備を、市内の一部を除きほぼ全域に構築することができました。この整備は、市の負担を伴った先進的な民設民営方式でありまして、この整備により各企業の通信インフラの利便性は飛躍的に向上するものと思っております。
また、市内企業で組織します「企業連絡協議会」の活動の中で、市長との意見交換会を開催、積極的な意見交換が行われており、今後も官民が協調しながら地域づくり・まちづくりに努めて参りたいと考えております。
■企業の誘致
本市では、主要施策の1つに優良企業の誘致を掲げ、平成17年の市町村合併以来、若者の雇用機会の創出のため、製造業を中心に企業の誘致を進めてきました。
その結果、平成18年度~19年度にかけては、多くの企業に工場の新・増設を決定して頂き、順調に雇用機会が増えておりましたが、現在では新たな企業の立地は減少し、既存企業の経営も非常に厳しい状況となっております。
それでも、工業団地に50社以上、市内全域では100社以上の企業が操業され、自動車・半導体・食品・医療関係など、様々な業種の企業に地域活性化を担って頂いております。
また、熊本県の工業団地開発事業で、約23ヘクタールの県営「菊池テクノパーク」の整備が進められており、「臨空テクノパーク」に続く、大規模企業の受け皿として、早期完成を目指して熊本県と共に、整備を推進しております。
各工業団地に、熊本県中小企業家同友会の皆様を始めとする、地元企業と連携できる企業を誘致するため、地道な情報収集と菊池市の立地環境をPRし、優良企業の誘致を推進するとともに、本市における中小企業の振興に努めて参りたいと考えておりますので、ご支援とご協力をお願い申し上げます。
2010年10月号掲載
菊池市 市長
福村 三男
昭和15年12月10日菊池市隈府に生まれ、36年3月熊本短期大学(社会科)卒業
59年8月菊池市議会議員初当選、61年8月熊本県議会議員当選、平成13年7月菊池市長初当選、17年4月新菊池市長に初代市長として当選(4市町村合併による)、21年4月、菊池市長二期目当選
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