各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
将来の熊本のために 今何をすべきか
熊本県土木部長の松永です。当職に就きまして、この3月でまる2年となります。土木部長を拝命してから、新幹線関連事業をはじめ、経済対策など様々な課題に懸命に対応し、滞りなく施策を推進することが出来ました。これも皆様方のご理解とご協力のおかげだと思っています。この紙面をお借りしまして、改めてお礼を申し上げます。
さて、日本経済は、昨年からの経済対策等の効果により一部持ち直しの兆しが見られましたが、一昨年来の世界同時不況の影響が続き、デフレや急激な円高から、二番底の懸念が未だ払拭されていません。本県でも全庁をあげて経済対策に積極的に取り組みましたが、県内経済は依然として厳しい状況にあります。今後も引き続き、県内景気の浮揚と雇用の確保・改善のために様々な施策を推進していきたいと考えています。
また、社会環境が広域的に大きく変わろうとする時代の中で、本県も少子高齢化、環境問題、地方分権(地域主権改革)の進展など様々な社会構造の変化が予想されます。
この時代の潮流をしっかり見据え、的確に対応し、各地域が地域特性に合わせた形で発展していくことが必要です。地方の産業が競争力を高め、自立し持続的に発展していくため、必要な受け皿としての基盤づくりが何なのかを、もう一度真剣に考えるべき時が来ていると感じています。その際大切なことは、目の前のことだけにとらわれることなく、10年後20年後、更にはもっと将来の熊本そして各地域のために今何をしておかなければならないかを考え実行することだと考えています。
実際に、社会資本の整備は、経済を牽引し地域発展に資する要素の一つとして欠くことのできないものです。人の交流や物流が地域経済に及ぼす影響はもちろんのこと、防災や環境、雇用を含め地域の活性化に及ぼす影響は計り知れないものがあります。例えば、本県が全力で取り組んでいる九州新幹線(博多-鹿児島中央)の開業は、いよいよあと1年後となりました。その開業効果は、新幹線が停車する各市だけでなく、県下全域に波及させることが重要であり、新幹線駅への交通アクセスの改善・強化をはじめ、各地域との連携を強化する幹線道路等のネットワーク整備に取り組んでいます。
また、本県の県都である熊本市の政令指定都市移行を見据え、九州における地理的優位性を活かし、経済・文化などの交流拠点としてのポテンシャルを最大限に高めるため、周辺地域を含めた熊本都市圏の都市基盤の整備や交通ネットワークの充実に取り組んでいます。
話は変わりますが、私の実家は、旧八代郡鏡町で畳表の産地卸問屋を営んでいました。私自身は、小さい頃から創造的で多くの方に喜ばれる仕事をしたいという思いを持っており、土木技術者の道を選択し現在の仕事に就きました。住民のニーズや行政のあり方が大きく変わり行く状況にありますが、この様な時だからこそ、将来も皆さんに喜んでもらえるような仕事をしたいという気持ちを大切にしながら、毎日の業務に取り組みたいと思っています。
まだまだ厳しい景気の状況ではありますが、熊本県土木部でも様々な視点から景気浮揚に取り組んでいます。熊本県中小企業家同友会の皆様には、今後とも、社会資本の整備について、さらなるご協力とご支援をよろしくお願いします。
2010年3月号掲載
熊本県土木部 部長
松永 卓
昭和26年2月18日生まれ、昭和49年3月芝浦工業大学工学部卒業、昭和49年4月熊本県採用、平成10年4月松橋土木事務所工務課長、12年4月土木部土木技術管理室課長補佐、14年4月土木部用地対策課兼道路建設課勤務(公益法人派遣)、16年4月土木部都市計画課長、17年4月土木部河川課長、18年4月土木部首席土木審議員兼河川課長、20年4月土木部長
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