各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
熊本の「埋蔵金」発掘しよう
はじめに
花畑町から二本木へと、弊社が移転して早や4年になります。熊本駅から歩いて5分、時々、「SL人吉号」の汽笛や黒鉛が上がるのを目にすることができます。ここ1、2年で熊本駅前の風景はすっかり変わりました。というより、1年半後の新幹線開業に向け、日々チェンジを続けています。
九州新幹線全線開業をプラス思考で
昨年来の世界的不況のなか熊本経済も苦戦を強いられていますが、この駅前の変貌は県全体にとっても明るい材料だと考えます。確かに、九州新幹線が全線開業すると熊本のヒトもモノも福岡に吸収されてしまう、という声は少なくありません。しかし見方を変えれば、福岡まで30分で行けるということは熊本に住んで福岡に通勤・通学ができる、ということでもあります。東京など首都圏では今や当たり前の事です。福岡に比べ、水がおいしい、自然が豊かな熊本は定住には申し分のない土地柄といえます。私も光の森に住居を購入しました。九州の経済界にも、米国のワシントンとニューヨークのような関係で、熊本と福岡が共存共栄することを模索する動きが強まっています。熊本市は城南町、植木町との合併が本決まりとなり、いよいよ政令市実現に向けた取り組みが本格化しました。将来の道州制のなかで州都に名乗りを上げる環境が整ったともいえます。
熊本の魅力を活かそう
新幹線は福岡を超えて、関西圏も3時間余りで結ぶことになります。県も関西戦略に力を入れていますが、観光客誘致など新幹線効果は、予想以上に熊本に果実をもたらす可能性があります。私はこの6月に社長に就任した新参者ですが、阿蘇山や天草などを訪れると大自然の恩恵に改めて感じ入ります。新鮮な山の幸、海の幸はもとより、温泉が各地にあって豊富な湯量に感動すら覚えます。この熊本の「埋蔵金」を関東や関西の人たちに、もっと知ってもらえれば、観光客もぐんと増えるでしょう。国内だけに限りません。こうした観光資源は、韓国や中国といったアジアからの旅行客を吸引するのに十分な魅力を持っています。
開局20周年を迎えて
弊社はお蔭様で、今年開局20周年を迎えることができました。熊本では民放第4局目ですが、視聴率等も他局に追いつき追い越せるほどになってきました。この春から「相田みつを展」「ソフトバンクホークス戦」「バロック・ロココ展」など、様々な記念事業を行ってきました。番組では、新幹線開業や政令市移行なども手厚く報じ、熊本を全国発信するお手伝いもさせていただいております。
地域と共に生きる
テレビ業界は2011年のデジタル完全移行に向け、多大な設備投資を余儀なくされています。これに加えて、昨今の不況が経営に大きくのしかかっておりますが、苦しいのはひとり弊社だけではありません。社是である「地域と共に生きる」を胸に刻んで、番組やイベントを通して、熊本のみなさんとともに発展していきたいと願っています。
2009年10月号掲載
熊本朝日放送(株) 代表取締役社長
植田 義浩
昭和22年1月24日生、福岡県出身、国際基督教大学教養学科卒(昭和46年6月卒)、同年7月(株)朝日新聞社入社、平成7年4月同社東京・販売第四部長、11年1月同社東京・販売局次長、13年4月同社販売企画室長、14年6月同社東京・販売局長、15年6月当社取締役(東京・販売局長)、17年6月同社取締役(西部本社代表)、19年6月同社取締役(販売担当)21年6月熊本朝日放送(株)代表取締役社長
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