各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「くまもと工連をよろしく」
「今日、お話を聞かせて頂いて、わが国のトップレベルは世界の最先端にあることがわかり、頼もしく思えました。ただ気掛りなのは、地方にあります中小企業とでは相当のギャップ、タイムラグがあるように思えたことです」「例えていいますと、中央の大企業が先頭の大きくてパワフルな機関車で、そのズーッと後方の列車が地方の中小企業で、赤いテールランプの最後尾まで長い長い列車がつながっていると思えることです」「何とかして、この間隔を短くしていかなければ、わが国の活力ある発展は期待できないのではないでしょうか」
これは、先日、東京で開催された技術系フォーラム後の交流会で主催者代表の方にお話したものです。そして、この4月に熊本県工業連合会(工連)の会長をおおせつかった者として、中央の大企業と地方の中小企業との橋渡しも役目のひとつであると思ったところです。
このたび、何かご提言をとのご依頼を受けましたが、1982年9月に発足され700名余の会員を有する熊本県中小企業家同友会に学ぶことはあれ、提言などおこがましいですので、現在の工連活動についての考えをいくつか述べさせて頂きます。
まず、工連の殆んどの会員は、本県で物づくりに関連する県内外の企業であります。そして、参与として県内の大学、高専そして地方自治体を含めての関係機関に参加して頂いています。このことから、会長職就任挨拶で“一会員は全会員のために、全会員は一会員のために”活動することを申し上げました。
会員の皆様のお役に立ち、頼りにされる工連ということであります。それには、自分自身のモットーであります「飲水思源」(水を飲むときは井戸を掘った人たちを忘れてはならない)を旨として、工連の創設理念を忘れず活動することだと思っています。
そして、県内の進出企業と地場企業が車の両輪のように発展していくことが、地域活性化で重要だとして、受注ばかりでなく発注活動もサポートします。この方向で、すでに、工連会員の進出企業が自社実施の世界的に評価の高い生産方式について、会員の地場企業へオープンにして研修や実地指導が行われてきています。
このことに勇気づけられまして、このほど、あと一年半近くで全線開業する九州新幹線によって3時間余で行ける大阪の関西経済連合会と工連との交流を申し入れたところです。同連合会エリアの福井や和歌山と時間距離がほぼ同じ熊本だと強調しまして、受発注の場づくりを目指していきたいと思っています。
このようなことから、これまでの略称“県工連”を“くまもと工連”へと変更し、『イノベーションでリードする産業集団 熊本県工業連合会』として、グローバル時代に向けて強力にアピールしていこうと思っています。
これらの活動を強力に進めていくには、それぞれの人間力を高めることをベースに、企業力そして地域力の充実・向上が重要となります。そして、これらのパワーを組み合せて事を成すため、造語ではありますが様々な“補強合力”をしていくことだと思っています。つまり、人と人、企業と企業、地域と地域などを結びつけていくパワー、ネットワーク力を大きくしていくためには補強合力が不可欠だと思っています。
そして、機会を得まして、貴同友会と工連との補強合力の場面がありますれば、望外の喜びとするものであります。
2009年8月号掲載
熊本県工業連合会 会長
足立 國功
昭和20年3月26日生まれ、43年3月同志社大学工学部化学工学科大学卒業、50年9月(株)とみよし代表取締役、平成6年6月熊本県工業連合会監事、7年6月(株)熊本ソフトウェア研修センター代表取締役社長、15年12月NPO法人(内閣府認証)オープンソースソフトウェア協会会長、20年6月NPO法人NEXT熊本理事長、21年4月熊本県工業連合会会長(現任)
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