各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
放送局の地域に於ける役割 ~中小企業とマスコミの共生~
米国のサブプライムローンに端を発した未曾有の大不況が日本を襲っていますが、テレビ業界も営業的にこれまで経験した事がないほどの厳しい状況となっています。
また既に語り尽くされてはいますが、地上デジタル放送への巨額な設備投資は何としても耐えなければならない試練となっています。
そのような中、私どもテレビ熊本は本年4月1日、開局40周年を迎える事が出来ました。これもひとえに皆様方の永年に亘る暖かいご支援・ご協力の賜物だと深く感謝申し上げます。
■地域貢献の更なる推進
さて平成19年6月、私がテレビ熊本の代表取締役社長に就任した際、TKUがこの厳しい時代に生き残りをかけて耀き続けるために、社内に向けて5つの課題を提案いたしました。
コンプライアンスへの取組み・設備投資の効率化等、健全な企業として当然クリアすべき課題や、また視聴者の目線に沿った番組制作や編成を行う事など、信頼されるローカルテレビ局として日々努力すべき課題です。
しかし私には、地域への貢献に対する思いが強くあり、民放経営の普遍のテーマと言われる「地域密着の強化」について、より具体的に「地域貢献の更なる推進」という課題を出しました。
私どもはこれまで幾多の番組や事業企画、営業イベントを通して、文化・芸術・スポーツ振興の面で地域社会に貢献して参りました。その一つに「TKUジュニアゴルフ塾」があります。
18年前に私が、青少年に夢を与え、熊本から世界に通用するプロゴルファーを育成したいとの信念を持って始めたものですが、古閑美保や上田桃子など、名実ともに日本女子ゴルフ界有数のプロゴルファーを輩出しています。
また40周年事業の核として「明日(アース)のためにできること」をテーマにECO・環境保全への本格的な取り組みをスタートしました。
■地域の企業とマスコミの共生新時代
冒頭で書かせて頂きました通り、私ども放送業界は決死の覚悟でデジタル化へ取り組み、双方向という機能を手に入れました。デジタルデータ放送です。
今、日本中の放送事業者が挙ってビジネス的なメリットを探し求めていますが、残念ながら未だ模範的な解答は出ていないようです。
しかし私はデータ放送こそが視聴者(消費者)との間に、これまでなかった全く新しい接触時間を創出することが出来るメディアであり、さらにローカル局ならではのノウハウと智恵を投入すれば、地域の企業とマスコミの共生新時代を築く画期的なコミュニケーションをデザインする事ができるものと信じております。
■終わりに
平成23年7月の地上デジタル放送完全移行に向けて、できるだけスムーズな移行ができるように、受信機の普及に加え、ビル・マンションの共聴設備のデジタル化対応など、皆様の一層のご理解・ご協力が必要になると思いますが、何よりも重要なのは、皆様方のお知恵、お力をお借りしながら、皆様と共に、デジタル新時代の熊本を元気にできるようなメディアに成長させなければならないと考えていますので、是非ともご協力をお願いいたします。
2009年7月号掲載
(株)テレビ熊本 代表取締役社長
本松 賢
昭和23年10月6日生、福岡大学商学部卒業、昭和46年4月(株)テレビ熊本入社、平成3年7月同社営業局営業部長、平成11年4月同社東京支社長役員待遇、平成11年6月同社取締役、平成13年6月同社専務取締役就任、平成15年6月同社代表取締役専務就任、平成19年6月同社代表取締役社長就任
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