各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
経営アドバイザーに税理士の活用を!
税理士会は、昨年、昭和17年2月23日の税務代理士法施行から数えて70周年を迎え、常陸宮同妃両殿下ご臨席の下、東京の帝国ホテルにて盛大に式典を行いました。
“過去に感謝 未来に責任”のスローガンを掲げ、税理士制度の維持発展に貢献してきた先人達に感謝し、次の世代の若者に対して責任を持って引き継ぎ、今後とも社会の要請に応えていくことを改めて決意したところです。
税理士は、税理士法に則って権利が付与され、義務と責任を負わされています。税理士法第1条は、“税理士は税務の専門家として、独立した公正な立場において納税義務の適正な実現を図ることを使命とする”と規定しています。そして、税理士の業務は無償有償を問わず税理士しかおこなうことができず、その税理士も税理士会への入会を強制されており、社会公共的使命を持つといわれるところでもあります。
そこで、税理士会は国民や納税者の要請に応えるべく社会貢献策として税務支援と租税教育を推進しています。
税務支援は、経済的理由により税理士に依頼できない小規模納税者などを対象として、無償または著しく低い報酬で税務相談等を行うものです。税理士会は、税理士事務所や相談会場での無料相談会を実施したり、商工会等へ申告相談のために税理士を派遣したりする税務支援をおこなっています。
また、租税教育にも力を注いでいます。南九州税理士会では租税教室に昨年度374回にわたって講師を派遣しました。現在は、租税教育推進協議会からの依頼が多く、大半が小中学校での開催ですが、今後は少し流れが変わろうとしています。昨年、文部科学省、総務省、財務省とで租税教育の協議会が設立され、賛助会員として日本税理士会連合会も加わることとなりました。協議会は、納税者になる直前の高校生、大学生、さらには学校の教師をも租税教育の対象にすることが提案されています。そこで当会でも、会員の出身高校を手始めに高校生対象の租税教育を開始したところです。講義やディスカッションをおこなって、税を理解していただけるよう努めているところです。
ところで、現在中小企業の7割が赤字法人です。デフレが長引き、企業の元気が失われている現状にあることから経済環境もいまだ良くなったようには見えません。しかし、アベノミクスの三本の矢の一つである成長戦略は、民間投資を喚起しようとするものであり、その結果中小企業の経営が元気になればと期待するところであります。
また、金融円滑化法が今年の3月で終了し、その後の対策として中小企業経営力支援法による経営革新等支援が始まりました。認定機関が中小企業の税務会計及び金融等について支援していく施策が推進されています。この認定機関の7割を税理士が占めています。
中小企業の皆様にとり一番身近にいて税務会計や資金調達等に詳しい顧問税理士を経営のアドバイザーとして大いに活用していただくことが、赤字の黒字化へつながると考えます。私たち税理士と一緒になって改善に向けて立ち向かっていただければ幸いです。
2013年10月号掲載
南九州税理士会 会長
戸田 強
昭和24年6月16日生まれ、昭和47年熊本商科大学商学部商学科卒業、62年3月税理士登録・戸田税理士事務所開設、平成2年1月より独立現在に至る。(南九州税理士会役員歴)
平成11年7月~ 13年6月熊本西支部長、17年7月~ 19年6月熊本県連合会副会長、21年7月~ 25年6月専務理事、25年7月会長就任
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