各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「障がい者雇用を支援する機関から」
熊本県中小企業家同友会の皆様方には、日頃から大変お世話になっておりますことに感謝申し上げます。
また、障がい者雇用支援委員会などでの積極的な障がい者雇用に関するご活動に、深く敬意を表します。
今回の熊本地震で被害に遭われた会員の皆様方に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い復興・復旧を祈念いたしております。
さて、熊本地震では多くの事業所が被害を受けておられることから、当センターではこれらの事業所に雇用されている障がい者の方の雇用継続を図るための支援を、ハローワーク等関係機関との連携により実施していくことが重要だと考え、地震直後の安否確認、連休明けからは過去2年間に当センターを利用された200名あまりについて、主に就職されている方へのフォローを中心に、体調・生活状況の確認、心理面でのケア、雇用継続に向けた相談、ジョブコーチ支援などを実施してきております。
利用者のうち、地震直後には、事業所や本人の被災、通勤が困難となり自宅待機となった方が全体の20%程度の割合でおられましたが、7月に入って5%程度となっており、まだまだ予断を許さない状況が続いてはいますが、少しずつ落ち着いてきた感もあります。
以前に、特別支援学校のある保護者の方が、「自分達の子供は『就職は最後、解雇は最初 』では?」と働く事への不安を語っておられましたが、今回の地震での大きな被害の中にあっても、事業主の方々が従業員の雇用の維持に必死に取り組んでおられる様子や、頑張って働き続けている障がい者の方々のお話をお聞きするにつれ、まさに「働くこと」、「働くことを守ること」の原点を垣間見たようで、皆様方の障がい者雇用に取り組まれるご努力に、頭の下がる思いが強まるばかりであります。
これまでも中小企業家同友会の皆様方には、障がい者雇用に積極的に取り組み、地域の障がい者雇用を先駆的にリードしていただいております。
支援機関の職員も事業所での実践を学ばせていただきながら、徐々に地域での支援の裾野も広まり、就労支援のネットワークも充実して参りました。これも皆様方の障がい者雇用に取り組まれる熱意に後押しされ、その熱い思いに応えようとして取り組んできたことの積み重ねの結果だと思っております。
昨今の障がい者雇用においては、その障害特性から職場定着のための支援が必要な方が増えてきており、合理的配慮の提供義務など、障がい者の方が働きやすい環境作りも一層求められていますので、支援機関からも様々な情報提供、情報発信を行いつつ、皆様方のご協力もいただきながら、更なる雇用促進・継続のための支援に取り組む所存であります。
障害者雇用納付金の適用対象の拡大等も踏まえ、障がい者雇用の転機にある事業主の方もおられることと拝察いたしますが、引き続き障がい者雇用にご尽力、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
住所:熊本市中央区大江6-1-38 ハローワーク熊本4階
電話:096-371-8333
ホームページ:http://www.jeed.or.jp
2016年9月号掲載

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
熊本障害者職業センター所長
本田 壮一
昭和34年11月生まれ。上智大学文学部卒業、筑波大学大学院教育研究科修士課程修了。雇用促進事業団での勤務を経て、組織改編により現在の(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構で障害者の職業リハビリテーション業務に従事。平成26年4月から熊本での勤務
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