各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
行政書士は頼れる街の法律家
今年の夏は大きな災害が続き、多くの方が犠牲となられました。亡くなられた方々に対しお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。今や想定外の自然災害もあたりまえのこととなり、夏の風情も少しずつ変わってきていると思うと寂しささえ覚えます。
さて、熊本地震から2年半が過ぎようとしておりますが、被災された同友会会員の皆様の中には施設や設備の復旧に係る経費の4分の3を国と県が補助してくれる制度、所謂グループ補助金制度を活用し工場や設備を再建された方が多数いらっしゃるかと存じます。
私は去る8月末に四国愛媛県の宇和島に行ってまいりました。この度の西日本豪雨被災地である愛媛県で、グループ補助金の申請受付が開始されることになり、愛媛県行政書士会が開催するグループ補助金申請手続きの申請書作成に関する研修会に、本会会員が講師として招かれたため同行してまいりました。
この制度は、皆様ご承知の通り被災した建物や設備を元の状態に復旧する場合の費用の4分の3が補助金として交付される制度で、いくつかの中小企業が復興グループをつくり復興計画書を作成しの復興事業の認定を受け、その後グループを構成している企業が個別に補助金の交付申請を行うこととなっております。
しかし、熊本での申請受け付けの際グループ作りに苦慮されたり、添付書類を準備することができなかったりと、当初はかなりの混乱があったのも事実です。その様な中、私ども行政書士は行政と被災された方の間に入り、申請の際の煩雑さを県に伝え改善を求めたり、県下各地で相談会を開催し被災者の方に制度の説明を行い申請書類作成のお手伝いをいたしました。この度の愛媛での研修会には愛媛県庁の担当の方も出席されましたので、書類作成の経験者として被災者(交付申請者)の立場で、申請書受付の際是非ご検討頂きたい点等を申し入れさせていただきました。
さて、「行政書士はなにをする人?」とよく聞かれます。奇しくも熊本地震の際、このグループ補助金の申請に関わらせていただいた事やご高齢の方や体の不自由な方に代わって罹災証明書の交付申請を無料で代行したことがメディアで紹介されたことで、多くの県民の皆様に行政書士の仕事を知っていただくこととなりました。
しかしながら行政書士の業務はこればかりではありません。中小企業の皆様に関わりのある業務としては建設業の許可申請や車の登録申請、最近では外国人の就労に関する手続き、また営業の許可申請や農地転用許可申請など官公署に提出する書類の許認可申請手続き、さらに契約書の作成や相続に関する遺産分割協議書の作成、定款や議事録の作成等会社設立に関する様々な書類の作成や相談を業として行っております。
最近は創業以来100年以上も続けてこられた老舗の店舗や工場が後継者不足や少子化により廃業に追い込まれたとの話も現実におこっており、既に事業承継や、外国人労働者の採用等が大きな社会問題となり、時代と共に新しい課題や問題が生じております。
私共行政書士は皆様の「どこに相談していいか分からない」ことに対し、「頼れる街の法律家」として皆様のお困りごとを気軽に行政書士にご相談いただければ幸いです。
最後になりましたが、このような発信の機会を提供頂いた熊本県中小企業家同友会の事務局の皆様に感謝申し上げますとともに、会員の皆様の益々のご発展とご活躍を心からご祈念申し上げます。
2018年10月号掲載
熊本県行政書士会 会長
井口 由美子
昭和30年4月 生まれ
昭和49年3月 熊本県立第一高等学校卒業
昭和50年7月 西本司法書士事務所入所
昭和57年7月 行政書士登録
井口行政書士事務所開業
平成23年5月 熊本県行政書士会副会長
平成27年5月 熊本県行政書士会会長
平成29年6月 日本行政書士会連合会
常任理事
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