各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
地域連携の推進を
今、世界中が新型コロナウイルス感染拡大による未曾有の困難に立ち向かっている中、熊本県では7月、県南北部で豪雨による大災害にも見舞われました。大切な命が奪われ、くらしも経済も大変な事態となっていますが、貴会会員の皆様をはじめ、多くの方々の、前を向き、様々な知恵と力を出し合って、問題を解決していく姿に励まされています。
尚絅大学(昭和50年開学)と尚絅大学短期大学部(昭和27年熊本女子短期大学として開学)は132年の歴史と伝統を受け継ぐ尚絅学園が設置する熊本県で唯一の女子高等教育機関です。開学以来、同学園の建学の精神に則り、「智と徳を兼ね備え自律的に学修を続ける女性を育成し、基礎的・応用的研究を推進して成果を発信し、地域社会に貢献する」という大学・短期大学部の理念に基づく教育・研究を推進しています。数多くの卒業生が地域社会の様々な分野で活躍していることは頼もしい限りです。
地域連携について、本学では2015年10月号の熊本羅針に当時の森正人学長が「大学と自治体の連携事業に企業も参画を」という提言を行い、本学と自治体の連携を紹介し、そこへの企業の参画が如何に意義あるものかを述べ、企業へ連携事業への参画を呼びかけました。それから5年、その間2016年4月の熊本地震からの復興、そして今回の新型コロナ対策などへの対応もあり、遅れが生じた部分もありますが、大学や自治体等との連携、さらに企業との共同・受託研究なども増え、地域連携を通して学生の人材育成が図られていることに感謝しております。
本学が提供できる知的資源は、食と健康・子育て、文化に関するものが主ですが、最近では観光関係も充実してきました。食品業、飲食業、サービス業などの各社との連携で、熊本の食材を活用したレシピの提供・販売や加工食品、スイーツ、ヘルシー弁当などの共同開発・販売、自治体の食育推進事業や広報誌への野菜レシピの提供、地域との連携で、子どもの豊かな育ちが実現するような様々な調査・研究、研修会、相談会などの取組、議会との連携での広報誌編集、自治体との覚書による観光に係る調査活動などを実施しました。これらの活動には必ず学生が主体的に参加し、生きた教育の場ともなっています。
本学では尚絅地域連携推進センターが中心となって、尚絅子育て研究センター、尚絅食育研究センター、尚絅ボランティア支援センターとともに、大学の使命として、益々、地域連携を推進していく所存です。ご意見、ご要望、ご相談などございましたら、ぜひ、尚絅地域連携推進センターのホームページ「お問い合わせ等、相談申込みフォーム」でご連絡下さい。連携で熊本の発展に貢献したいと願っています。
2020年10月号掲載
尚絅大学・尚絅大学短期大学部学長
山縣ゆり子
兵庫県出身、昭和50年大阪大学薬学部卒業。55年同大学大学院博士課程修了。61年大阪学薬学部助手、助教授を経て、平成13年熊本大学大学院薬学研究科教授、23年大学院薬学教育部副教育部長を経て25年副学長(男女共同参画担当)、30年定年退職、名誉教授、令和2年4月より現職。専門は構造生物学、蛋白質科学
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