一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

ウィズコロナ時代、共に進化を

昨年から引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大で近年において経験したことのない対応を迫られ、「緊急事態宣言」「三密」「医療崩壊」「クラスター」など聞きなれない言葉を耳にしました。現在において全世界の感染者数1億人強、死者数も250万人を超えいまだに猛威を振るっています。そのせいで私の会長としての任務である東京出張や祝賀会などがほとんど中止となりました。自粛、自粛で街中も閑散としており、個人事業者、中小法人などの収入も激減。経営が悪化するところも少なくありません。ただでさえ後継者不足、事業承継ができずに困っているところも多く二重苦の有様です。

しかしながらこれは戦いです。負けるわけにはいきません。我々税理士を頼りにしている顧客も多いかと思います。緊急融資や税制面のアドバイス等により今こそ信頼に応える時です。現代の武器であるICT等を駆使し、自己研鑽に励み、より多くの情報を収集して顧客の為になるよう会員にはお願いしているところです。

物事にはダークサイドがつきものです。例えば、近代文明の象徴のひとつである自動車ほど便利なものはありませんが、同時に毎年100万人規模で人間の命を奪う凶器でもあります。排気ガスを出し地球温暖化による天候異変の一因にもなっていますが、誰も自動車を全廃しようとは言いません。
新型コロナウイルスも確かに憎むべき悪者です。しかしその感染拡大はインフラを発達させた我々人類にも責任があります。このウイルスは一時的に収まったとしても第2、第3の攻撃を仕掛けてきており、長い付き合いになるのは確実なので、長期化に向けた備えが必要です。それはたとえ短期に終わったとしても無駄ではありません。その一環として業務をIT化する、これはいわゆる危機管理です。普通であれば危機管理というのは危機が去った後には、無駄になるものですが、業務のIT化というのはコロナショックが来る前から普通に行われてきたことであり先進的な企業であれば既にやっていることです。更なるペーパレス化、ウェブ会議も構築する必要があります。デメリットもありますが、東京などへの遠方出張も最小限に抑えられ、時間、経費削減などのメリットも多くあります。

我々業界の法改正も間近です。バーチャル事務所、にせ税理士や名義貸しの防止等検討すべき課題は多くあります。これを機に社会情勢の変化に対応すべく将来を見据えた時代に適合した制度の構築を図り、顧客からの信頼確保、納税義務の適正な実現を図るという使命を全うしなければなりません。
これから先も皆様方と共に歩む税理士会として更なる研鑽をいたしますので末永いおつきあいの程よろしくお願い申し上げます。

2021年4月号掲載

南九州税理士会 会長 東 秀優

南九州税理士会 会長
東 秀優

昭和45年 熊本高校卒業
昭和50年 横浜商科大学卒業
昭和59年 税理士登録
令和元年 南九州税理士会会長就任
趣味 麻雀

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