各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
困難な時代に期待される伴走支援
昨年はロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響等によりエネルギーや原材料価格が高騰、様々なモノの価格上昇が事業者や家計を直撃しました。令和4年度第二次補正予算では、事業再構築補助金について従来の回復・再生応援枠及び緊急対策枠を統合した「物価高騰対策・回復再生応援枠」が新たに設けられたほか、ものづくり補助金についても、大幅な賃上げに取り組む事業者に対する補助上限の引き上げ、グリーン枠の拡充、グローバル開拓枠の新設等が行われています。
また、今後ゼロゼロ融資の返済が本格化する中、民間ゼロゼロ融資からの借り換えに加え、事業再構築等の前向きな投資に必要な資金需要にも対応する新たな借換保証制度(コロナ借換保証)が今年1月10日から創設されました。制度の利用には金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要となります。
このような状況の中、私ども九州財務局宮崎財務事務所が昨年主催した「みやざき活性化フォーラム」では、参加者の方から「コロナ禍の中で補助金も増えたが、補助金を知らない経営者が多い」とのご指摘を複数いただきました。補助金情報のタイムリーな提供も含め、引き続き経済団体や金融機関の皆様による事業者の方々への積極的な伴走支援、サポートをお願い申し上げます。
厚労省の人口動態統計によると、我が国の昨年の年間出生数は80万人を割りこむことが見込まれており、想定を超えるペースで少子化が進んでいます。団塊の世代と呼ばれた1947~49年の出生数(年間260万人台)の3分の1以下であり、そのインパクトの大きさがわかります。昨年は幅広い業種で人手不足が深刻化しましたが、今後、労働人口が減少していくに伴い、技術の利活用による業務の効率化、省力化・省人化はますます不可避かつ急務となっていきます。規模の小さな中小零細企業にとってはノウハウや人材、コスト等の面で取組みが難しい面も多々あることから、様々な関係者の連携・協働による伴走支援が期待されるところです。
さて、少し気が早い話になりますが、来年発行が予定されている新しい千円札紙幣の肖像に、熊本県小国町出身の北里柴三郎氏が登場します。感染症予防や細菌学の発展に大きく貢献した同氏が遺したとされる以下の言葉があります。「世の中は決して行き詰まらない。もし行き詰まったものがあるならば、これは熱と誠がないからである。人に熱と誠があれば何事でも達成する。」
コロナ禍が長引き、世界情勢が混迷を続ける現在、同氏の金言を心の糧とし、地域の皆様との連携・協働を一層大切にしてまいりたいと思います。
2023年2月号掲載
九州財務局長
平岡 聡
1964年生まれ、58歳。岐阜県高山市出身。88年4月北陸財務局入局。2015年7月九州財務局理財部長、17年7月(株)地域経済活性化支援機構執行役員総務部管理室長、18年7月関東財務局理財部長、20年7月国家公務員共済組合連合会総務部長を経て、22年7月から現職。
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