各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「参画と協働」の まちづくりに向けて
政令指定都市への移行に伴い設置された5つの区役所では、区民の身近な業務を担うとともに、区民、事業者、地域団体、行政など様々なセクターとの「参画と協働」により「区のまちづくり」を進める役割を担っています。現在、各区で地域の魅力や特性を活かしたまちづくりが始まっており、南区の考え方や取り組みをご紹介いたします。
■まちづくりビジョンの策定
区のまちづくりを進めるにあたっては、まず「どのような区の姿を目指すか」など、様々なセクター間においてビジョンを共有することが重要です。
そこで、まず区民アンケートや校区自治協議会へヒヤリング、ワークショップ等を通して、区の魅力や課題などを取りまとめました。
そして、この住民意見をもとに、各地域の代表者で構成する「南区まちづくり懇話会」で議論を重ね、目指す区の姿を「みんなでつなぎ、みがき、ひろげる~いきいき暮らしのまち」と決定。この姿を実現するため、南区の代表的な魅力である「農漁業」「歴史・文化」「自然」、まちづくりの課題と捉えた「健康」「子育て」「安全・安心」の6つを基本目標に掲げました。
■「テーマコミュニティ」の推進
この6つの基本目標(テーマ)を区民との「参画と協働」により取り組んでいくためには、「ネットワーク化」が重要と位置づけています。
例えば、南区の魅力を一堂に集めた「いきいきフェスタ」では、商工会や商店街、JA、文化団体、子育てグループ、行政など多様な団体で実行委員会をつくり、企画の段階からアイディアを出し合い開催しています。「スポーツ大会」では校区体育協会が、また「自然」では、まちづくり団体や商工会などが、それぞれ中心になって実行委員会をつくり、区が支援する形で展開しています。また、「健康」では、校区毎に自治協議会が中心になって区や医療・福祉機関と連携して取り組むほか、「安全・安心」では、自治会毎に「地域版ハザードマップ(防災地図)」を作成するなど、1つのテーマを全ての校区や自治会等で進めているものもあります。
■「エリアコミュニティ」の推進
本市では、これまでも校区(エリア)単位で夏まつりなどコミュニティ活性化や地域の課題解決を図るなどのまちづくりが進められてきています。区では、このような校区のまちづくりを総合的に支援するため、「地域コミュニティづくり支援補助金制度」を運用しています。本年度は、予算の総枠を100万円から200万円に増額するとともに、自治会・校区自治協議会のみを対象にしていたものから、校区自治協議会の構成団体も対象とするなど、支援の充実を図った ところです。
■まちづくりの行動指針
南区では、ビジョン実現に向けて各セクターが段階的に取り組みを進めていく「行動指針」を掲げています。まずは、南区の魅力や現状を「知る」段階、次に、組織づくりやネットワーク化など「集まる」段階、さらに、すぐできることから取り組む「始める」段階、そして、様々な取り組みを地域の内外に広げ、将来世代につなげていく「伝える」段階。この4つのステージにおいて、各セクターがそれぞれの役割を果たしながら、事業等を展開していくことが重要と考えています。区のまちづくりが本格的に始まって2年目。これまでの「知る」「集まる」というステージから、27年度は多くの区民や事業者の方々の取り組みが「始まる」「伝える」ステージへと展開してまいります。
南区のまちづくりが「みんなでつなぎ、みがき、ひろげる」ことができるようそれぞれの事業活動においてさらにご支援をいただければ幸いに存じます。
2014年12月号掲載
熊本市 南区長
永目 工嗣
昭和32年3月宇城市生まれ。
明治大学農学部卒。55年熊本市入庁。社会体育課(現スポーツ振興課)長、下水道総務課長、都市計画課長、企画情報部長を歴任し、平成24年4月から現職
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