一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

物価高に負けない賃上げを

昨年11月に高市政権の新しい経済対策(「『強い経済』を実現する総合経済対策」)が策定されました。その中では、「賃上げ環境の整備」の一環として「今後とも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げるなど、地域間格差の是正を図る」と最低賃金についても触れています。ご承知のとおり、本年1月から熊本県の最低賃金は1,034円に引き上げられました。今回82円引き上げたことにより東京都や大阪府といった大都市との格差は縮まりましたが、今なお大きな差があることは否定できません(東京都の最低賃金は1,226円)。

最低賃金について、中小企業の皆様からは「大幅な引き上げは厳しい」との声を頂戴することもあります。もちろん、資材高騰等の影響により企業経営が苦しい状況にあることは承知しておりますが、一方で物価高が続く中で労働者の生活が厳しい状況にあることも事実であり、政府が経済対策の中で賃上げ環境の整備について触れたのも無理からぬところです。また、大都市との格差を放置したままでは、地方から都市部への人口の流出を食い止めることはできません。県内の人手不足に対応するためにも、賃金の引き上げは避けては通れない課題であると言えます。

労働者の生活改善(賃上げ)を図りつつ企業の負担を軽くするため、政府では各種の助成制度を用意しています。熊本労働局ではこれら助成制度を「賃金引上げ支援パッケージ」として取りまとめて公表しています。このパッケージには国の助成制度だけでなく熊本県が実施している支援のほか相談窓口も掲載しており、事業主の皆様が活用できる制度を幅広にご紹介していますので、是非とも一度お目通しいただきたいと思います。

現在の物価高がいつまで続くのか分かりませんが、物価高が続く限りはそれを上回る賃上げが求められることになりそうです。ただ、物価高の分だけ賃上げをしても労働者の実質賃金は増えず、企業の負担だけが増えることになりかねません。そうならないようにするためには、労務費を適切に価格に転嫁することに加え、各種の助成制度の活用により生産性の向上を図ることや物価高を上回る賃上げにより労働者のモチベーションを高め、企業業績の向上につなげていくことが重要と考えます。助成金の申請の仕方等については熊本労働局のほか熊本県働き方改革推進支援センターでも受け付けておりますので、是非ともご活用ください。熊本県中小企業家同友会の皆様からご相談いただけるのを心からお待ちしております。

2026年2月号掲載

厚生労働省熊本労働局長 金谷 雅也

厚生労働省熊本労働局長
金谷 雅也

1973年生まれ。京都府出身。97年東京大学法学部卒業、同年労働省(現厚生労働省)入省。13年大臣官房人事課調査官、15年消費者庁消費者制度課企画官、16年福島労働局総務部長、18年保険局社会保険審査調整室長、19年大阪労働局総務部長、21年労働者健康安全機構勤労者医療・産業保健部長、23年復興庁参事官を経て、25年7月より現職。

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