各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
他地域/異業種間連携による 地域経済の活性化を目指して
熊本県中小企業家同友会の皆様におかれましては、日頃から、地域経済の発展に多大なる貢献をいただき、心からお礼を申し上げます。
また、昨年3月には人吉支部が設立されたことで、支部会員の皆様が、今後、ますます人吉球磨地域の経済活性化の原動力となり、活躍していただくことを希望しております。
さて、錦町では、地域の魅力ある資源を様々な交流に活かしていく取組みを進めてきました。
その1つとして、「錦町まるごと発信プロジェクト」という取組みを進めています。その内容は、住民と他地域の人々が、インターネット等を活用した「コトバによる交流」と、特産品を手に取り味わってもらう「モノによる交流」を同時に実現させることで、「地域住民のお人柄」だけでなく「地域の産物」も媒体とさせ、地域間の深い絆を生み出すものです。
なかでも、「モノによる交流」を重点的に推進しています。今年度は、その「モノによる交流」のために不可欠な特産品を開発してきました。具体的には、事業者間連携のきっかけづくりや商品磨き上げへの支援を行なっています。その取組みの実績として、錦町の栗、茶の農家、陶芸家、障がい者就労支援施設及び水俣市の茶の農家並びに氷川町の食品加工業者の連携により、セット商品が開発され、販売されることとなりました。
他に、このセット商品をふるさと納税のお礼の品の1つとすることで、全国の皆様に周知する支援も行なっています。
このように、地域の資源が、異業種(農業、陶芸、木工、障がい者支援、食品加工)/他地域(錦町、水俣市、氷川町)の交流によって商品化されるまでになりました。その核となったのは中小企業であり、日頃から地域に根ざした活動をされているからこそできたことで、大企業では実現が困難であったと感じています。
この取組みを、今後、新たな商品展開が図れるように、町としても、素材の御紹介、さらなる連携のためのきっかけづくり、町からの広報、宣伝等の支援をしていきます。そのことが、地域で活動されている事業者の経営力向上につながると同時に、地域資源の魅力を向上させ、他地域の人々との交流が深まり、地域のブランド化につながっていくものと考えています。
もう1つの取り組みとして、錦町では、国立公文書館アジア歴史資料センターに保管されていた人吉海軍航空隊関連の資料が発見されたことをきっかけに、現存する人吉海軍航空隊基地跡を保存し活用する取組みを進めています。
人吉海軍航空隊基地跡は、地下施設で、その用途により作戦室、無線室、工場、発電所、格納庫、兵舎と、その数は50を超え、総面積36,000㎡にもなる大規模な施設です。
今後は、この施設を「歴史を保存し、振り返る場」、「平和を学ぶ場」の2つを主眼に置き、活用を進めていくこととしています。
また、錦町では10月に「にしき・まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地域で幸せに暮らし続けるための施策を推進しています。その中の「しごと」づくりのために、地域経済の牽引役である中小企業の皆様が活躍していただく場づくりを進めていますので、人吉球磨地域の皆様だけでなく、他地域の皆様にも地元企業と連携していただきながら、地域の魅力ある資源を活用したビジネスを展開していただきたいと希望しています。
最後に、熊本県中小企業家同友会の今後の益々の御発展と、会員皆様方の御健勝を御祈念申し上げます。
2016年2月号掲載

錦町長
森本 完一
昭和23年1月24日生まれ、熊本県錦町出身。昭和41年3月球磨農業高校卒業後、設計会社等を経て、昭和52年錦町役場入庁、平成18年3月退職、平成19年4月錦町長に当選、現在3期目。主な役職:町社協会長・県町村会評議員・郡町村会副会長・森林組合理事
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