熊本県中小企業家同友会の皆様には、私ども熊本県信用保証協会をご利用いただきまして、心より御礼申し上げます。

さて、最近の熊本県内における景気判断によれば「回復している」とされています。今後も、TSMC熊本第1工場の量産開始や第2工場の着工による経済波及効果により、県内景気の持続的な回復が見込まれています。

一方で、中小企業者を取り巻く経営環境は、円安や原材料価格高騰、深刻な人手不足および金利上昇の影響により、依然として先行きの見えない状況が続いています。実際に、令和6年7月に当協会をご利用の中小企業者を対象に実施した「経営環境および経営相談に関するアンケート」においても、円安・原材料価格高騰に伴う悪影響があるとの回答が全体の約9割、人手不足・人件費高騰等を要因として人材確保に支障があるとの回答も約7割に上りました。またTSMC熊本進出による経済波及効果が及んでいないとの回答が約7割強を占め、現段階では中小企業者の方々がその効果を実感できてない現状が浮き彫りとなりました。

このような状況の下、当協会では令和6年度より開始した、第7次中期事業計画のスローガン「変革～中小企業のサポーターとしての総力をあげた挑戦～」を踏まえ、信用保証による金中小企業のサポーターとしてのオール熊本での取組み熊本県信用保証協会　会長田嶋 徹融支援にとどまらず、事業継続を見据えた経営改善支援をより一層強化する等、中小企業者のサポートに努めております。

具体的には、熊本県中小企業経営支援連携会議内に構築された「経営改善支援ネットワーク」を活用することで、金融機関や商工団体等支援機関と連携・協働し、当協会が直接中小企業者へアプローチする「プッシュ型」の経営改善支援を推進しております。

また、今年度より経営支援事例紹介動画を制作し発信することで、同じような経営課題を抱える中小企業者に向けて、改善への道筋を示す取組みを推進していきます。また、令和6年3月より、創業や事業承継、新たな事業展開を促進することを目的に開始された「事業者選択型経営者保証非提供制度」を周知し普及に努めることで、経営者保証に依存しない融資慣行の浸透を図ってまいります。

今後も、当協会としましては、県内関係機関等と共にオール熊本体制でさまざまな支援策に取り組んでまいりますので、引続きのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

2025年3月号掲載