各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
飛躍的成長
熊本県中小企業家同友会会員の皆様におかれましては、企業の発展を通じて地域社会に貢献されておられることに敬意を表しますと共に、平素より日本政策金融公庫に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、近時成長に向けた投資に意欲的な中小企業が増加している中で、2024年度中小企業白書においては、その取り組みとして、設備投資、M&A、イノベーション活動、海外展開に焦点をあてて考察がなされています。いずれも中小企業の成長につながる可能性を示しており、成長と賃上げにより日本経済を牽引していくことが期待されるとまとめています。また、中小企業庁主催の中小企業の成長経営の実現に向けた研究会での議論でも、100億企業は地域内からの仕入高や仕入比率が大きい、一人当たりの人件費の水準が高い等の傾向があるため、「100億企業」の登場が域内経済の牽引や外需の獲得、賃上げ等にもたらす恩恵は大きいとされています。
このような中で、飛躍的成長に向けた投資を支援する制度として創設されたのが、中小企業成長加速化補助金です。売上100億円超を目指す、成長志向型の中小企業に対し、大胆な設備投資をすることを事業目的としており、上限額5億円(補助率1/2)で、補助対象には建物費なども含まれています。「飛躍的成長」とは、賃上げ等により人材を確保し、投資を積極的に進め飛躍的成長日本政策金融公庫 熊本支店中小企業事業統轄南 靖彦ながら、売上高を100億円規模に成長させていくことです。積極的な投資を実施することで、地域経済を先導するような企業、輸出等の外需を獲得する企業へと成長することが可能となり、企業の持続的な成長へとつながります。
「飛躍的成長」「100億企業」というと自分事にはできないと思われる経営者も多くおられると思いますが、同友会の皆様が目指す21世紀型企業像につながるものと思われます。学びのサイクルの中で、外部環境における機会をよく捉えていただき、会員企業それぞれの「飛躍的成長」への取り組みを実行されるのはいかがでしょうか。中長期的にみて熊本県では、関係人口を含めた域内人口の増加に、域内経済の飛躍的成長が期待できると言えます。経営者の皆様が、うまく舵をとり、TSMC進出等による半導体から域内に派生する大波に乗っていくのも、経営戦略上検討に値するものと思います。
日本公庫熊本支店としても、県内の中小企業の皆様が成長するための設備投資を積極的に支援していく方針であります。情報提供の面におきましても、公庫が有するネットワーク等を駆使し、皆様方のお役に立てるよう努めて参る所存です。
末筆ではございますが、同友会の皆様の今後の発展、会員の皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたします。
2025年8月号掲載

日本政策金融公庫
熊本支店中小企業事業統轄南 靖彦
昭和46年大阪府生まれ。和歌山大学卒業後、平成5年旧中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)へ入社。平成30年佐賀支店中小企業事業統轄、令和4年池袋支店中小企業事業統轄を経て、令和7年4月より熊本支店中小企業事業統轄。
最新の特集記事

飛躍的成長
日本政策金融公庫 熊本支店中小企業事業統轄 南 靖彦
熊本県中小企業家同友会会員の皆様におかれましては、企業の発展を通じて地域社会に貢献されておられることに敬意を表しますと共...

前と上を向く方々が出会い、 つながっていく場
阿蘇市長 松嶋 和子
熊本県中小企業家同友会の皆様、こんにちは! 阿蘇市長の松嶋和子と申します。日頃より様々な形でお世話になっておりますことに...

産業人材育成と地元定着について
熊本県教育長 越猪 浩樹
本年4月25日付けで熊本県教育長を拝命しました越猪と申します。元教員の経歴を生かし、本県教育行政を推進して参りますので、...