人吉校は、令和7年度で開校30周年を迎えることになり、約3万4千名超の方々に受講いただきました。これも熊本県中小企業家同友会の会員企業様をはじめ中小企業者等の皆様方が『人財』育成の重要性を認識されているからであると感じております。

「中小企業大学校」は、国の中小企業施策実施機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「中小企業の皆様のための人材育成機関」で、全国に9校設置されています。人吉校では、九州・沖縄エリア（熊本・宮崎・鹿児島・沖縄県）を中心に様々な経営課題に直面する中小企業の経営者、経営幹部・管理者等の皆様を対象に実務で活用できる実践的な研修を実施しています。また、利便性を考慮して事業者様が所在する県内で実施する校外研修も行っています。

研修の特徴は、時代のニーズに沿った研修を用意し、単に講義を聴くだけではなく、全員参加型の演習を取り入れ、自社課題の解決につながる実践的な内容となっています。また、さまざまな業種、地域、年齢、職位などの方が受講する集合型研修のため、演習や講義後の交流会を通じて気づきを得る機会が得られ、人的ネットワークを構築することができます。

研修の分野は、階層別（経営者、経営幹部、管理者、若手リーダー）と企業経営、経営戦略、組織マネジメント、人事・組織、財務管理、営業・マーケティング、生産管理などとなっています。

受講料は、国の中小企業施策の一環として実施しているため、利用しやすい受講料（1日：16,000円、2日：22,000円、3日：29,000円、4日：36,000円、経営管理者コース4日×6か月：298,000円）で設定しています。要件を満たせば公的助成金制度や市町村・団体等が設けている受講料等助成制度を利用可能です。

日々の業務から離れて集中して研修に取り組みたい方や通学が困難な方のために宿泊施設、食堂、読書室を併設しています。疲れを癒す天然温泉の浴場も人吉校だけに設置されています。

研修の効用として、自社の課題解決につながる新しい知識や手法を得ることはもちろん、研修を通じて得られる「学び」によって自己の自信を高めることができます。さらに、演習や交流会を通じて他者の考え方と異なる自分自身を知ることで、客観的な視点を養うことができるのも大きな利点です。これにより、より広い視野を持ち、柔軟な思考ができるようになるでしょう。

最後に、同友会の会員の皆様には、ぜひ人吉校の研修をご利用いただき、VUCA時代における様々な課題を乗り越え、地域経済のけん引役として成長されることを祈念して結びの言葉とさせていただきます。

2025年12月号掲載