熊本県中小企業家同友会

特集

核心

経営課題への解決の糸口が、ここにある!

同友会理念で日本一に輝く!



(有)熊本装新 代表取締役
萩原一郎 (熊本同友会西支部会員)


-創業の精神

20代の頃、勤めていた東芝が住宅産業を手がけており、熊本にも東芝ハウジングを設立するにあたって熊本に赴任した萩原社長は、数年後に東芝が引き揚げる事になり、29歳で東芝住宅産業(株)を退職した。
別府生まれで、当時熊本には頼れる知人はいないし、実家もない。別府に戻ろうとも考えた。商売をしていた両親の苦労を見て育ち、自身の幼い頃の家庭の状況から、「自分は、商売はしない」と強く思っていたが、東芝時代の部下に説得されたこと、これから結婚も控えていたことなどから別府へ帰らず熊本で起業した。
萩原社長は「絶対に赤字を出さない」と言う信念で起業した。しかし社長になろうと決意して独立した訳ではない。「食べるため、生きるために仕事をしたんですよ」と語る。


-創業の頃

東芝を退職した当時、壊れそうなアパートに住んでいた。熊本市内の島崎の高台にある岳林寺の傍で、そこから見下ろすと、古い住宅がたくさんあった。さっそく背広を着て、100軒近くをヒアリングして回った。当時は、便利屋とか何でも屋はあったが、リフォームという言葉さえもなく本業としている会社はないことが分かり、これはいけそうだと思った。当時、結婚も控えていたので婚約者だった今の奥さんに「3年間で公務員の退職金くらいが稼げたら結婚しよう」と宣言した。『再塗装業』でスタートした。3年間必死で頑張り、3年後見事目標を達成して結婚した。


-生き方へのこだわり

萩原社長の生活は質素だ。普通のサラリーマンと同レベルの生活を心掛けている。“貧乏性”と言うが、社内は整理整頓が行き届いており、何かに付け一本筋が通っている。
熊本菓房の銘菓『すいぜんじ』の名前を付けた先生が社名を『熊本装新』と命名してくれた事に心から感謝している。お客様から「布団屋さんですか」とか誤解されたと言って笑った。


-新入会員の頃

萩原社長は、1999年7月に同友会に入会、会歴14年になる。先輩でもある勝烈亭の林憲彦社長から紹介され入会した。当初は、どんな会かわからないまま積極的な支部活動もしなかったが、やがて(有)九交防災の伊藤静雄さんや(有)コモンの佐野正達さんなど友達ができ“飲み会”として面白くなった。同友会の書籍を読んだりはしていた。真正面からではないが、話の中から色んな経営手法を学んだ。


-同友会での学びを実践

「絶対に赤字を出さない」との創業時の信念通り、一度も赤字を出さず社員も増えていたため、入会した頃は“自己流がベスト”だと思っていた。そんな社長を変えたのが、同友会のグループ討論だった。
ここは、上辺だけで聞き流さず、きちんと本音で指摘してくれる。そう思えることが多々あった。同友会は謙虚に学ぶ会だということも知った。「経営理念も社員とつくりましたが、まだまだ・・・」という萩原社長だが、実践が実を結んだと言える嬉しいことがあった。



-3年連続日本一

AXが全国で展開する『ライファーショップ』(現LIXIL)。「住まいのコンシェル ライファー熊本西」が熊本装新の別部門で事業展開をしている、いわゆる特約店だ。
特約店間で競う全国コンクールがある。ライバルは、全国に250社ある。1位になるのは、至難の業だ。そのコンクールで3年連続1位に輝いた。特に昨年からは5社が合併してリクシルグループになり9370社になった。今度はその中で1位を取った。とんでもない大記録達成と言うより他はない。


-日本一達成のワケ

「同友会の理念の実践のお陰で全国1位になりました。本当なのです」と萩原社長は言う。売上を上げるべく“物を売ろう”と言う発想ではなく“節水をしよう”(熊本装新の経営理念に『自然環境に・・・』がある)という発想で取り組んでいる。
これは社員が、「数値目標はキツイので“節水運動”で行きましょう」と提案したのだ。
3年前から、350万ℓ節水しようと目標を立て、便器に特化した「節水活動」を展開。コンクール期間は3 ヵ月の実績で決まる。事務員さんも自発的に電話かけをしたり、チラシとかデータとかを封筒に入れて投函したりしてくれる。皆の力が結集し、全社一丸となった。銀行や取引先の協力もあり、一種の運動になった。3年目には、年間570万ℓの節水を達成することができた。今度店長が表彰式に出る。


-社員と一緒に理念づくり

企業理念は社員と一緒につくった。相当時間を掛け一字一句、辞書で意味も確認し、成文化した。理念をつくっても事業に融合させるのは難しいことだ。だからこそ、全国1位になったことより、会社が一丸となれたことがうれしい。経営は、ガラス張りを実践。社内グループ討論や、同友会に参加した次の日は、こんな例会だったとか学びを得たことを必ず報告するなど、学びを自社の実践につなげている。




-萩原社長からの人生訓

同友会へ入会する以前は、給与や賞与をたくさん出す事がいいことだと考えていた。生活レベルも上がるし、預貯金もしてくれるだろうと考えた。すべて「私」が基準でそう考えた。お陰で色々失敗をした。お金だけではないのだと分かった。“やりがい”“生きがい”こそ大切であると、同友会に入会してよく分かった。
 人間は臆病であった方がいい。バブル時代に投資を考えたが、臆病だから止めた。助かったのは、慎重だったから。ムリはしない。地道な努力が大切。
人生は7掛け。全部使ったらだめ。そして経営者はさじを投げたらいかん。諦めてはいけない。


-余談のように…

萩原社長は、2009年2月に熊本で開催された第39回中小企業問題全国研究集会(全研)で実行委員長を務めた。全国から1183名が参加したこの大会は、2007年度から準備委員会を立ち上げ取り組んだ。多くの会員の協力を得て大規模な組織を動かすという経験は、会社経営にもおおいに役立ったし、多くの学びも得た。
 余談としては、全研の参加促進のために、各地での全国大会に出向き『おてもやん』に扮装し宣伝した。当日も『おてもやん』で参加者を歓迎。この『おてもやん』に関しても、色々細かな作業があって難儀した。年だから何度練習しても忘れる。踊りもした。しかし全国からは高い評判を得た。終わった時は、本当にほっとしたという。「その後、熊本全研に参加した県外の方に会うと『あ、おてもやんだ』と言われたりするんですよ」と笑った。


2013年3月号掲載

【インタビュー】
(株)ゆうプランニング
代表取締役 木村 正夫
(熊本同友会広報委員長)

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