熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

「九州からの森林・林業再生」に向けて ~九州国有林の取組~

九州・沖縄8県には、南北1200kmの広い範囲に、冷温帯林、暖温帯林、亜熱帯林と変化に富んだ約280万ヘクタールの森林があります。このうち九州森林管理局は、九州脊梁山地や世界遺産屋久島、昨年噴火した新燃岳、熊本県内では金峰山や菊池渓谷など、豊かで多様な約53万㌶の国有林を管轄しています。


ご存知のように森林は、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、自然環境の保全、木材等の林産物の供給など、私たちの命や暮らしを支える様々な働きを持っています。中でも九州は、全国の約1/4の木材生産量を占める全国有数の林業地域であり、私たちの先人達の努力により植えられたスギを中心とする豊かな人工林資源は、温暖多雨な気候に育まれ、全国に先駆けていち早く本格的な利用期を迎えつつあります。再生可能な地域資源である木材・木質バイオマスの活用は、地球温暖化やエネルギー問題といった地球規模の課題から地域社会・産業の再生まで、私たちの将来への大きな可能性を秘めているといえます。


一方で、全国同様、小規模分散的な所有構造や木材価格の低迷等による手入れ不足や所有者不明の森林の増加などの問題も依然として存在しています。また、近年のシカの急速な増加は、林業だけでなく生物多様性にも甚大な被害をもたらしています。


こうした状況の下、国においては、我が国の森林・林業を早急に再生するための指針となる「森林・林業再生プラン」を策定し、「10年後の木材自給率50%以上」(平成22年の自給率:26%)という意欲的な目標を掲げて再生のための施策に全力で取り組むこととしています。


九州森林管理局としましては、国民の大切な財産である国有林を真に「国民の森林」として、公益的機能の発揮を重視した管理経営を一層推進するとともに、「九州からの森林・林業の再生」をスローガンに、技術の普及や人材育成をはじめとした民有林への支援を積極的に実施し、我が国の森林・林業再生に貢献していくこととしています。


具体的には、世界遺産屋久島をはじめ貴重な森林生態系や生物多様性を次世代に向けて適切に管理・保全していくとともに、治山対策や災害復旧など、安全で安心な国土づくりを進めます。また、林業のコストを下げるため、簡易で丈夫な道づくりや高性能機械の活用、民有林と国有林の共同施業や集約化を進めます。国産材の供給については、民有林材も含め、様々な用途や需要先のマーケティングに基づく安定供給・流通体制の構築に取り組みます。地域林業を担う人材の育成やシカ対策、地域の皆様との連携による森林づくりや情報発信も進めていきます。


九州は、温暖な気候等に支えられ、森林・林業再生の基盤は他地域に比べて整っており、全国をリードする立場にあると同時に責任もあると考えています。「九州からの森林・林業の再生」実現に向け、様々な取組を一歩でも二歩でもさらに進められるよう、民有林や関係機関、地域の皆様とも一層連携・協働しつつ、全力で取り組んでいく考えです。


最後に、貴会及び会員の皆様のますますのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。


清流を育む菊池渓谷の渓畔林

清流を育む菊池渓谷の渓畔林


間伐により健全で元気な森林を育成

間伐により健全で元気な森林を育成


2012年2月号掲載

九州森林管理局 局長 平之山 俊作

九州森林管理局 局長
平之山 俊作

昭和30年2月4日生まれ、鹿児島県出身。
昭和56年3月鹿児島大学大学院農学研究科修了。
同4月農林水産省(林野庁)入省。
平成17年林野庁業務課国有林野管理室長、平成19年環境省環境影響評価課長、平成21年林野庁治山課長、 平成23年8月九州森林管理局長、現在に至る

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