熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

熊本の発展のために

私は大学院修士課程修了まで愛知県で生まれ育って、その後、大阪で1年、東京で4年、名古屋で13年働き、そして約20年前に熊本に来ました。旅行等で訪れたことはあっても住むのは初めての熊本でした。熊本に住んで直ぐの印象、それは『熊本と愛知は非常に似ている』ことでした。この印象は今も変わりませんが。熊本は夏暑くて冬寒いと人は言う。確かにそうで、冬に阿蘇で車にチェーンがいるとは思いませんでした。ただ、冬は外で何もできないと言うわけではない。愛知・名古屋も同じように夏暑く冬寒い。少し違うのは、台風を除いて熊本は風があまり吹かず、名古屋は風が吹くことでしょう。


このように気候が似ていますが、それ以上に似ているのは『熊本も愛知も生きていくための最低限のものは自県でまかなえる』ことではないかと思います。熊本は有数な農産物の産地で有明海・天草では海の幸も多く、愛知も日本のデンマークと学校で習った安城をはじめ農産物も多く海の幸も多く採れる。すなわち、最低限生きてゆける。極端なことを言えば、自県だけでは生きられず他地域との交易が不可欠という訳でもない。更に似ているのは、熊本は以前(今?)は九州の中心であり、愛知は東京と大阪の中間点にある。すなわち、両方とも交通の要所であることです。


かなり以前ですが、私の高校の同級生で総合商社に勤める友人が、名古屋人(商人)の特徴をこんな風に言ったことがあります。「東京の商人は商売になるかわからなくても金を使う。大阪の商人は商売になると思うと金を使う。名古屋の商人は商売になるとわかっても金を使わない。」と。また、大阪府内にある東海大学付属高校の一つの付属仰星高校の校長から聞いた話ですが、保護者や地域の方々向けの講演会の終了後、来場者が「今日は儲かった」と話していたそうです。良い話が聞けて来た甲斐があったという意味です。


熊本の商人は東京・大阪・名古屋のどれに相当するのか、あるいは第4の特徴をもっているのか、私には確信が持てませんが、商人の特徴は風土・地域の特性に大きく依存しているように思えてなりません。


郷土を愛し、郷土に住んで、郷土で仕事をする。それで皆が仲間内で何とか生きてゆける。そんな時代は過去のものとなりつつあるとは、言い過ぎでしょうか。郷土を愛する気持ち、これは何ごとにも代え難い大切なものです。しかし、これを持ちつつ、過去や前例にとらわれず、これで本当に良いかと常に考え新たな挑戦をすることが必要ではないでしょうか。多くの熊本出身の人々が全国で、世界で活躍されています。しかし、熊本・九州にこだわっている人が多いのも確かです。大学で熊本出身の学生やその保護者と接していて感じます。


「最近の若者は・・」とよく言われます。しかし、私は「今の若者も捨てたものではない」と考えています。大学が後ろから少し押してやる(支援する)と、学生は様々なことを自ら考え挑戦しています。企業も人という意味では同じではないでしょうか。私どもは熊本にある大学として、こうした挑戦する学生を地域に送り出すことが使命と考えています。そして、皆さんの熊本の企業が何ごとにもあきらめることなく挑戦し続けられることを願ってやみません。


2010年8月号掲載

東海大学九州キャンパス 副学長
加藤 雅史

昭和22年愛知県生まれ、46年3月名古屋大学工学部土木工学科卒業、48年3月名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了、48年4月(株)竹中工務店入社(竹中技術研究所勤務)、53年3月名古屋大学勤務、平成3年4月九州東海大学勤務、教務部長・学務部長・学長室長を経て、18年4月東海大学付属第二高等学校校長、21年4月東海大学副学長(九州キャンパス担当)

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