熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

「高校野球に学ぶあれこれ」

県の環境生活部は、「環境」と「生活」の2つの分野にわたり、地球環境のような大きなテーマから、食の安全・交通安全のような身近な問題まで幅広く取り組んでいます。中小企業家同友会の皆さんに、いろいろな場面で御協力や御助言を賜る機会があると思います。よろしくお付き合いをいただきますよう、紙面を借りてお願い申し上げます。


さて、この原稿を書いている時点(8月中旬)では、夏の甲子園大会の2回戦が行われています。「各界からの提言」という課題には程遠いのですが、TV中継を見て感じたことをいくつか記してみることにしました。


チームづくり

高校野球の特色の一つは、毎年選手が入れ替わるということでしょう。プロ野球でも選手の新陳代謝はありますが、入れ替わる速さは比較になりません。


企業や役所の中間管理職は、部下が人事異動で毎年入れ替わるという点で、高校野球の監督に似ています。3~4年で職員が異動する職場だと、部下の3分の1は毎年交替することになります。また、管理職自身も異動で交替しますから、高校野球よりも更にチーム(組織)づくりが難しくなります。組織のトップである経営者の皆さんには、現場の特性を知って、長期的な視点でのチームづくりが求められるように思います。


選手の成長エネルギー

経済学者のガルブレイスは、1992年に発表した「満足の文化」という著作の中で、現状に満足した人々が支配層を形成している米国の長期低落傾向を、さまざまな角度から論証しています。そして、「現在好調な国国(注:92年刊行のこの本では90年ごろの日本やドイツが想定されているようです)の姿勢や政策が目指しているのは向上心であって、現状への満足ではない」と述べています。  高校野球の選手達が見る見る上達するのは、現状に満足せず、「甲子園に行く」という目標を持ち、苦しい練習に耐えるからでしょう。私達日本人全体がいつの間にか満足の文化に染まってしまい、向上心や競争心を失いかけているとすれば、高校生に学ばねばなりません。経営者や管理職が自ら向上心を維持するとともに、一般職員にどういう目標を与えられるかが課題だと思います。


決断力

将棋の羽生名人は著書「決断力」の中で、「経験を積むと怖さも増す。迷ったり心配したりして、思考の迷路にはまる。決断は、怖くても前に進むという勇気が試される。決断とリスクはワンセットであり、リスクを避けていては次のステップに進めない。それは大きなリスクである」と述べています。


高校野球は負ければ終わりというトーナメント戦です。チームづくり、選手起用、スクイズ、走塁、送球等あらゆる場面で、監督と選手の決断と必死のプレーが数々のドラマを創り出します。選手達がこの貴重な経験を元に、将来逞しい人間に育ってくれることを願うとともに、私達大人もしっかりとした決断を重ね、子ども達に未来を引き継がねばならないと感じています。


2009年9月号掲載

熊本県環境生活部 部長 駒崎 照雄

熊本県環境生活部 部長
駒崎 照雄

昭和27年生まれ
昭和50年3月 京都大学法学部卒業
昭和50年4月 熊本県庁入庁
平成13年4月 総務部秘書課長
平成14年8月 総務部財政課長
平成17年4月 玉名地域振興局長
平成19年4月 環境生活部次長
平成21年4月 環境生活部長

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