熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

放送局の地域に於ける役割

景気低迷の波は放送業界にも否応なしに押し寄せ、昨年度の民放の経営状況は、全民放の3分の1が赤字経営という厳しい状況が続いています。私どもはあくまでも民間放送局ですから、収益性は大事なことであります。しかし一方でマスメディアとしての地域貢献も重要なことです。地元熊本への地域貢献が会社としての収益につながれば、これほど素晴らしいことはありません。


KKTは開局以来、朝の長寿番組「ズームイン!!SUPER」を通して、熊本の情報を全国に発信してきました。また、「テレビタミン」は地元密着の夕方ワイド番組として、熊本で初めて平成9年にスタートさせました。今年で13年目となります。番組制作には驚くほどの経費がかかります。会社の収益性を考えると、当時としては熊本のエリアパワーでは無謀な事だという声も確かにありました。しかし、地元熊本の素晴らしさをどんどん発掘し、熊本の県民に広く伝えていきたい、そして熊本を活性化し地域に貢献したいという強い想いから、あえて断行しました。


また、今年の4月からは土曜日のお昼前に、「ココSmile」という新たな自社制作番組をあえてスタートさせました。熊本の様々な情報をテレビタとは違った切り口で視聴者に発信する番組です。いずれは、KKTの新サイトとの連動を視野に入れ、複合的に地域密着の情報を提供できればと考えています。この試みもすべては、放送局の地域に於ける役割を忘れずに全力を尽くすことが必要であると考える私達の強い想いの表れです。


KKTはおかげをもちまして、昨年、平成20年度の1年間の視聴率において、全日・ゴールデン・プライムの三部門とも視聴率第一位をとり、年度視聴率三冠王を達成することができました。熊本県民に一番見られているテレビであるということですが、これもひとえに地元に対する私共の姿勢が県民のみなさんのご支持を得ているからではないかと思っております。


また、KKTでは地元のスポーツ振興にも大いに力をいれています。全国高校サッカー熊本県大会、KKT学童軟式野球大会などのほか、ドッジボール、バドミントン、ソフトバレーボールなど多彩なスポーツ大会を毎年開催しております。なかでも毎年4月に開催する女子プロゴルフトーナメントは2万6000人を超える観客を動員し、大会の模様は全国ネットで熊本から発信しています。さらに昨年からは、熊本の女子アマチュアゴルファーの裾野を拡大するとともに、乳ガン撲滅運動をサポートするために女子アマチュアチャリティゴルフ大会も始めました。KKTでは、これからもあらゆるジャンルで放送局としての地域の役割を自覚し、県民の生活をサポートしていきたいと思っております。


さて、2011年7月にはいよいよアナログ放送が終了します。テレビ業界にとっては非常に大きな山です。混乱なくデジタル放送へ完全移行するために私共も最大限の努力をいたします。皆様のご協力もよろしくお願いいたします。熊本も九州新幹線の全線開通や道州制の問題などとりまく環境は刻々と変化していきます。私共も変化を恐れずに果敢に挑戦する気持ちを忘れずに、熊本への地域貢献と熊本から全国に発信する力をフル稼働し、皆さんとともに元気な熊本を創造できるように頑張りたいと思います。


2009年9月号掲載

(株)熊本県民テレビ 代表取締役社長 西野 正夫

(株)熊本県民テレビ 代表取締役社長
西野 正夫

平成10年6月 読売テレビ放送(株) 取締役副社長
平成13年6月 (株)熊本県民テレビ 代表取締役社長

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