熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

「理念」に学ぶ

4月22日に開催された熊本県中小企業家同友会第33回定時総会におきまして、2014年度活動指針テーマ「積極果敢、時代変化への挑戦」、スローガン「1000名体制で地域づくり。明日の熊本を創る先頭に立とう」が採択されました。いずれも、同友会理念や、経営環境の変化を踏まえて、活動の方向性が力強く示されたものとして、深く敬意を表します。


中小企業家同友会は、3つの目的「よい会社」、「よい経営者」、「よい経営環境」を掲げた『同友会理念』に基づいた活動を展開されています。改めて考える機会をいただきましたので、今回は、「理念」について、自分自身の経験を振り返りたいと思います。


日頃、お取引先を訪問すると、多くの応接室に「経営理念」が掲げられています。「従業員の幸福」、「社会貢献」、「和」、「顧客満足」などをキーワードとする「経営理念」が多く見られます。しかし、一方で「理念と現実のギャップ」に悩む経営者も少なくありません。


A社は、リーマンショックを受け、受注が約7割も減少しました。赤字転落が避けられず、「リストラ」を検討せざるを得ませんでした。しかし、リストラを思い止めたのは、「従業員の幸福を追求する」経営理念でした。数ヵ月は赤字が続きましたが、やがて受注が回復し、以後は「経営理念の下、従業員が一致団結する」という効果も生まれました。


B社は、古くからの工場ですが、周辺に新興住宅が立ち並び、騒音や粉塵でクレームを受けていました。工場の移転も検討しましたが、景気が悪化する中、資金負担も重く、断念せざるを得ませんでした。一方で社内には、経営理念「社会貢献」の意識が浸透していました。社長は、「経営理念」で課題を解決することとしました。それは「挨拶と清掃」です。従業員が全員で、地域の「清掃」を行い、行き交う人に気持ちの良い「挨拶」を行うことにしました。その日から、クレームはなくなり、逆に「感謝の言葉」を受け、従業員の定着率も向上しました。お金をかけずに、課題を解決し、更に従業員満足度も高めたのです。


A社、B社ともに、先代が遺した「経営理念」でしたが、将来を左右する重大な決断を行う際の「拠り所」となりました。時代が変化しても変わらないことが「経営理念」には込められています。また、「経営理念」が社内に浸透していれば、これが「企業風土」となり、社長が下した判断を後押ししてくれます。両社から、「経営理念」を実践することの大切さを学ばせていただきました。


日本政策金融公庫は、①政策金融の的確な実施、②ガバナンスの重視、を経営理念に掲げています。「新事業・新分野進出支援」、「事業再生支援」、「海外展開支援」等に積極的に取り組み、地域金融機関と連携しながら、政策性を発揮して参ります。2008年10月の統合以来、国民生活、農林水産、中小企業の3事業が連携して、総合力の発揮に努めています。政策の実施機関として、事業者の皆様方に資金供給するとともに、皆様方のニーズを中小企業政策に反映させる等、政府と事業者の「繋ぎ役」も果たして参る所存です。


熊本県中小企業家同友会の今後ますますのご発展、会員の皆様方のご健勝とご多幸を祈念します。私どもとしましても、皆様方のお役に立てるように精一杯努力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。



2014年6月号掲載

日本政策金融公庫 熊本支店 中小企業事業統轄 大窪 正剛

日本政策金融公庫 熊本支店
中小企業事業統轄
大窪 正剛

昭和34年熊本県生まれ。
熊本高校、一橋大学卒業後、昭和58年旧中小企業金融公庫入庫。平成20年日本公庫静岡支店副事業統轄、22年営業推進部副部長、24年大阪支店副事業統轄を経て、26年4月現職就任

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