熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

地域力向上を目指して

近年、少子・高齢化や核家族化の進行、価値観の多様化等により、自治会加入率の低下、地域活動に関わる人の減少や後継者不足、多様な住宅様式による地域住民相互の連帯の希薄が生じるなど、地域を支えてきた各種コミュニティが弱体化している。


一方、子育てへの不安、一人暮らし高齢者世帯の増加、介護問題、地域の安全確保、大規模災害への備え等、地域が抱える課題は複雑・多様化しており、これらの課題に対応し、解決するためには、地域と行政との連携・協力はもちろんだが、地域自らがこの課題解決に向けて取り組まなければならない。


この「地域の課題は地域」でという考えは、平成7年の阪神・淡路大震災を契機として、行政、市民に広く認識され、東日本大震災後、ますます強くなってきている。


しかし、地域の状況はというと、住民間に温度差があり、自治会をはじめとする地域団体等、日頃から地域活動に取り組んでいる人は意識が高いが、一般住民はそこまではない。


また、意識はあっても行動に移せないでいる住民も多い。平成24年に東区で実施したアンケート調査でも、約8割の方が、地域活動は重要だと答えているものの、実際に地域活動に参加していると答えた区民は、半数をやっと超えているという状況だ。



このような地域の現状を踏まえ、地域のつながり、地域力向上のための私なりの考えを少し述べさせていただく。


まず、人のつながり方だが、基本は挨拶である。挨拶を交わすことで同じ地域に住んでいるという確認が取れる。次に、「向こう三軒両隣」の関係を築きたい。挨拶からはじめ、会話を交わせるようになり、気軽に語り合える関係をつくれたら、次に趣味や散歩等気軽にできる活動からその輪を広げる。町内や校区での清掃活動や催事に一緒に参加するというのもいいのではないか。その際、決して無理強いはしない。自分がやりたいこと、興味があることはすんなり入れるし、継続もする。そうでないと活動がとまるだけではなく、関係も壊れる可能性もあるので十分注意したい。


次に、地域団体の課題である。「自治会は何をやっているかわからない。加入する意味が見出せない」という住民の声をよく耳にする。団体の目的、活動内容、それが住民にとって必要だということを発信する必要がある。催事の情報も回覧板以外にもホームページの開設やフェイスブック等新たな情報発信手段も活用する必要がある。


また、役員のなり手がいない。後継者不足。という課題もある。その大きな原因として、役員の多忙さがあげられる。特に現役世代にとって、自由に使える時間が少ないのだからなおさらであり、負担を軽くしてあげる必要性は高い。負担を軽くするためには、役割分担を明確にして、出る回数を減らしてやる。また、自分のできる時間に、自分の得意なことで貢献してもらう仕組みをつくると、若い世代も参加しやすい。


ほんの一例であるが地域のつながりに関し、私の考えを述べさせてもらったが、このことについては、現在、東区内の校区役員と職員が一緒になり、その解決策を探る検討会を実施し、年度末には報告書ができる。ここから出された提案が地域力の向上の一助になればと期待しているところである。


住み慣れた地域で、お互いが協力し、助け合い、健康でいきいきと暮らせる東区になるよう区民とともに取り組んでいきたい。



2014年10月号掲載

熊本市 東区長 西島 徹郎

熊本市 東区長
西島 徹郎

昭和31年8月29日熊本市生まれ
昭和57年3月中央大学法学部卒業、同年4月熊本市入庁。企画課長、都心活性推進課長、観光振興部長、交通政策総室長を経て平成24年4月から現職

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