熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

顧客としての「金融モニタリング基本方針」活用

九州財務局では、熊本を含む南九州4県で、財務省の出先機関としての業務と金融庁から委託を受けた業務を行っています。まず、財務省の出先としては、予算の使われ方を調査し、地方公共団体に融資を行い、あるいは国有財産の管理・処分を行い、ということをしています。また、金融庁から委託を受けた業務としては、金融機関等の行動の監督・検査のほか、振込詐欺などの特殊詐欺の防止への取り組みなどを行っています。また、両者のための業務として経済状況の調査も行っております。


金融行政に関しては、先日、「金融モニタリング基本方針」(以下、「方針」)を金融庁が公表しました。これは、行政が金融機関をどのような観点でモニタリングしていくか、すなわち、見ていくかという視点を取りまとめたものです。したがって、直接、金融機関以外の方に何かを求めるものではありません。ただ、今の時点で行政が金融機関に何を求めているのかは、金融機関の顧客である中小企業の方にも知っていただく意味があり、ご活用いただけるのではないかと思います。


「方針」の内容は多岐にわたっています。しかし、基本的な考え方として挙げられているものは二つです。一つ目は、デフレ脱却に向けた取り組みと「好循環」の実現で、二つ目は、金融システムの安定と金融機関の健全性維持です。


一時期、金融機関の財務状況に対して不信感を持たれる時期があり、健全性を非常に重視した金融行政を行っていました。しかし、足元では金融機関の財務基盤は安定してきています。この財務の状況と現在の経済情勢を、今求められているのは全体としての健全性を害しないという前提の下で、経済の成長を促進するような融資、サービスの提供が行われることです。このため、一つ目の考え方がデフレ脱却に向けた取り組みと「好循環」の実現とされているのです。


ここで、「好循環」としているのは、経済・産業の持続的な成長や国民生活の安定に寄与し、ひいては金融機関自身の安定的な収益につながり、さらにそのことが経済・産業の持続的成長と国民生活の安定に寄与するという循環です。


「方針」では、このような考え方を実現するための、より具体的な内容として、企業への貸出等との関係では、顧客のニーズや利益に真に適う金融商品・サービスの提供が行われていること、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援することを求め、あわせて、中小企業に対しては、引き続き、きめ細かく対応し、円滑な資金供給に努めることが求められています。


我々としては今後、このような視点で、金融機関の行動を注目して丁寧にみていきたいと考えています。中小企業の経営者の皆様におかれては、顧客として、金融機関の取り組みを見ていただき、顧客として、金融機関のサービス、商品を適切にご活用いただければと思います。



2014年11月号掲載

財務省 九州財務局 局長 小原 昇

財務省 九州財務局 局長
小原 昇

昭和37年(1962年)生まれ。
京都大学卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。東京国税局課税第一部長、国税庁徴収部徴収課長、国税庁調査査察部調査課長、近畿財務局総務部長、関東財務局総務部長等を歴任。現在は、財務省九州財務局長

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