熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

ひとを大切にする企業づくり

社会保険労務士制度は、来年50周年を迎えます。社会保険労務士法が施行されてから今日に至る間、先輩諸氏の尽力と各界からのご指導・ご支援のおかげで、社労士という資格や職業に対する認知度や評価は大きく向上するとともに、8次にわたる法改正により、その業務範囲は拡大し続けてきました。


また、会員数も増加の一途をたどり、熊本県社労士会で430名、全国では40,000人を超える仲間が、企業経営の3要素である「ヒト、モノ、カネ」のうち「ヒト」に関する専門家として、募集・採用から退職までの労働社会保険諸法令に関する手続をはじめ、労働に関する法令、就業規則等の職場ルールや、人事労務管理についての相談・指導を行い、職場トラブルの未然防止や、労使双方が安心していきいきと働くことができる職場づくりのお手伝いをしています。


こうした中で、全国社会保険労務士会連合会を中心に社労士が目指すのは、「人を大切にする企業」づくりの支援です。いわゆる「ブラック企業」とは対極にあるもので、熊本県では県の事業で「ブライト企業」という名称が用いられています。どういう企業が「ブラック企業」で、逆にどういった企業が「人を大切にする企業」なのか、見方や考え方によって多少の差異はあるかもしれませんが、人を大切にする企業たるには、少なくとも法令順守は必要不可欠です。


例えば、労働基準法はその第1条で、「労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき」であり、「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである」と定めていますから、労働基準法に違反するということは、労働者が人たるに値する生活を送れない、つまり、人を大切にする企業とはとても言えないということになります。


熊本県社労士会では、個々の社労士の資質向上のため必要な研修を、今後も積極的に実施してまいります。決して法律の抜け穴探しのプロなどではなく、あるいは法律を一方的で偏った解釈で都合のいいように運用するのでもなく、法の趣旨を正しく踏まえ、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資するという社労士法の目的(社労士法第1条)に沿って、公正な立場で誠実に業務を行うという社労士の職責(同法第1条の2)を全うし、人を大切にする企業づくりのお役に立つべく、日々研鑚を積んでまいります。どうぞ、皆様の企業の発展に社労士をご活用頂くとともに、今後とも当会に対してご支援・ご協力賜りますようお願い申し上げます。


熊本労働局委託事業として、社労士会事務局内に以下の2つの支援センターを開設しています。


<<最低賃金総合相談支援センター>>

中小企業・小規模事業者へ、更なる賃金の引上げを推し進めてもらうために、経営管理や労務管理などの専門家による相談を実施し、あわせて事業主等からのご要望にもとづいて、経営管理や労務管理の専門家を事業所へ派遣します。また、事業場内最低賃金の引上げと、労働能率アップに役立つ設備投資を支援する業務改善助成金の紹介や申請支援を行います。

専用電話番号:0120-45-1124

<<非正規雇用労働者待遇改善支援センター>>

企業における非正規雇用労働者の待遇改善を支援するため、ガイドライン等の情報提供を行ったり、事業主からの相談に応じます。また、必要な場合には事業所へコンサルタントの派遣を行います。

専用電話番号:096-223-6228


2017年5月号掲載

熊本県社会保険労務士会 会長
和田 健

昭和48年11月16日熊本市生まれ。幼少期から高校卒業まで宇土郡不知火町(現宇城市)、福岡大学経済学部経済学科卒業。福岡にて一般企業に就職し営業職として勤務した後、平成15年10月社会保険労務士登録し地元宇城市で開業。平成27年6月熊本県社会保険労務士会会長就任

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