熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

民間事業者が支える森林・林業
~ 森林環境税へのご理解・ご協力を ~

私たちは、世界自然遺産である屋久島や雲仙普賢岳、熊本県内では金峰山や菊池渓谷などを含め、約53万ha(九州・沖縄の森林の約2割)の国有林を管理経営しています。

熊本市に管理局を、各県に20の森林管理署等をおいて、スギやヒノキの伐採・販売、その跡地への植林・保育、災害で崩れた林道や山を復旧することを主な任務としています。また、最近では、熊本地震により崩壊した阿蘇山の復旧を熊本県に代わって、昨年の九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市の山地災害の復旧を県の要請に基づき国の直轄事業として実施しています。

そして、これらの実際の現場での業務(工事)は、全て民間事業者(ほとんどが中小企業の皆様)へ発注(委託)しているため、民間事業者の存在なくして、森林を整備し、守る(治山)という私どもの使命を果たすことは出来ない状況にあります。

こうした中で、多くの分野と同様、林業や森林土木の分野においても、担い手の確保や作業の効率化(機械化)が課題となっています。

根本的には、企業としての持続性をどのように確保していくかということだと思いますが、私たちとしても、少しでも計画的・安定的に事業経営ができるよう、発注者として、年間の伐採量や事業箇所・事業量をあらかじめ公表することなどを行っています。そして、価格のみならず、技術評価も加えることにより、企業としての技術研鑽の支援にも努めているところです。

しかしながら、意欲と能力のある企業を確保・育成していく上で、企業の皆様の数字に表し難い、企業理念や地域における社会的貢献の度合いを、どのように評価していけば良いのか、苦慮しています。

さて、数字に表し難いものとしては、森林の持っている、水源を涵養する、山地災害を防止する、野生生物を保全するといった公益的な機能があります。これらの機能は、人がコントロールできるダムなどの施設に比べ、立地や気象条件等の自然条件に左右され、一律に評価・定量化しにくいものです。

このため、残念ながらその重要性をインパクトをもって国民の皆様に情報発信出来ていないと感じています。

一方で、本年4月から、所有者不明等の森林などを適切に管理していくため、市町村が主体となって、森林の経営管理を集積・集約化し、意欲と能力のある林業経営者に委ねて行く「新たな森林管理システム」を構築することしており、そのための財源として森林環境税(仮称)と森林環境譲与税(仮称)の導入が予定されています。

私たちは、改めてこうした森林・林業に関する情報を多くの国民の皆さんにお伝えし、ご理解・ご協力の下、林業の振興と適切な森林管理を進めていくことが重要と考えております。

最後に、市町村に配布される森林環境剰余税は、都市部等における建物の木造化、内装の木質化などにも活用できることとなっています。

「伐って、使って、植えて、育てて、伐って、・・・」といった林業のサイクルを担う意欲と能力のある民間事業者の確保・育成に向けて、会員の皆様の社屋・店舗等に国産材を活用いただければ、幸いです。ご理解・ご協力をお願い致します。


2019年2月号掲載

九州森林管理局 局長 原田 隆行

九州森林管理局 局長
原田 隆行

昭和37年3月26日生まれ、鹿児島県出身。61年3月鹿児島大学農学部林学科卒業。同4月農林水産省林野庁入庁。平成8年熊本営林局竹田営林署長、22年林野庁林業労働対策室長、25年林野庁森林利用課長、28年林野庁経営企画課長、29年7月九州森林管理局長、現在に至る。

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