熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

弁護士を活用した経営を

皆様はこれまで弁護士に相談したり依頼したりした経験がおありでしょうか。

企業を経営されている皆様方は「弁護士が何らかの力になってくれるのではないか」と考えつつも、「具体的にどのような場面で弁護士が力になってくれるのか分からない」、「弁護士は費用が高そう」といった考えから、現実に弁護士に相談したり依頼したりする機会を見つけられないままでいる方も少なくないものと拝察します。

弁護士は様々な形で皆様方のお役に立つことができます。起業家の皆様が直面しがちな場面について具体的に申しますと、例えば、新しい取引先と取引を開始する際の注意すべき点に関する助言、代金・売掛金の支払が滞りがちになったときの対応、不動産に関するトラブル、従業員に関するトラブル、業務上の各種事故(交通事故に限らない)等々。そのようなお話をしたときによく言われるのは、「弁護士の守備範囲が広いというのは分かるけど、自分がかかえている問題が本当に弁護士に相談すべき問題なのか判断できない」ということ。そういう場合はとりあえずご相談ください。もし弁護士の守備範囲内であれば弁護士自身がご相談をお受けしますし、もし弁護士の守備範囲外であれば、その問題を守備範囲とする他の専門家をご紹介します。弁護士は司法書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士等の他士業の専門家と日常的に二人三脚で業務をおこなっておりますから、様々な問題についてどの専門家が守備範囲とするのかについて承知しています。「餅は餅屋」ということで、適切な専門家をご紹介することができます。

弁護士費用に関して申しますと、法律相談料は多くの弁護士が「30分あたり5,000円+消費税」でお受けしています。安くはないと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかしながらトラブルが拡大してしまってから弁護士のところに駆け込んでも、もう手の施しようがなく多額の損害を被る羽目になったり、そうでなくとも問題が複雑化してしまったためにより高額の弁護士費用を負担しなければならなくなったりすることが少なくありません。早めに相談をしトラブルが拡大する前に解決することこそが、良い選択です。法律の問題は病気と同じで「早期発見早期治療」が最も低コストかつ最良の選択なのです。相談の結果弁護士に正式に依頼して代理人等として活動をおこなってもらう場合には、着手金や日当、実費、そして事件が成功して終了した場合には成功報酬を支払うことになります。依頼の際には「委任契約書」という契約を依頼者の方と弁護士との間で取り交わしますが、委任契約書にはこれらの金額の計算方法を記載します。つまり弁護士費用がおおよそどの程度かかるかは委任契約書によって明らかにされます。

いちど弁護士にご相談なさった経験をお持ちの企業様は、弁護士とのつきあいが企業経営にプラスになることを実感なさるようです。いちど弁護士に相談なさったのをきっかけに、より頻繁に弁護士に相談なさるようになった企業様や、契約をするときやトラブルが起きそうなときに事前に弁護士に相談することを習慣づける企業様も多くいらっしゃいます。そのような企業様は弁護士との間で顧問契約をなさることも多くあります。顧問料や顧問契約の内容は弁護士によって異なりますので、各弁護士にお尋ねください。弁護士に気軽に相談したいという企業様はぜひ顧問契約をなさるといいでしょう。

 

2019年6月号掲載

熊本県弁護士会 会長 清水谷洋樹

熊本県弁護士会
会長
清水谷洋樹

平成8年3月熊本県立熊本高等学校卒業、平成11年10月旧司法試験合格、平成12年3月東京大学法学部卒業。熊本県弁護士会で委員長、副会長等を歴任。平成31年4月熊本県弁護士会長に就任。趣味は乗り物に乗ること、乗り物を撮影すること、マラソン。

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