熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

ビジネスに効く心のサプリをお一つ如何?
<心が動けば人が動く>

10年ほど前、ゼロからホテルを作ろうという大胆な構想をもつ起業家と出会いました。なんとそのお方は、子育て中の一児のお母さん。“えっ、あなたがホテルを?、ホテルってものすごく人や資金が要りそうですけど・・”という心の声が私の顔に現れていたのでしょう。彼女は、私に一枚の紙を見せます。端正な文字で書かれたその内容は、ホテルを作る思い(哲学:伝説のホテルをつくる7つの思い)でした。お話を聞くうちに引き込まれ、最後には「私も出資できるでしょうか?」などと聞いていました。それは、人の心を動かすすばらしいプレゼンだったのです。心が動けば、人は動く。それを正に感じるワンシーンでした。
 その後、彼女のまわりでは、奇跡のようなことがたくさん起きて行きました。応援する人がいっぱい集まってきたのです。お金もうけ目当てではなく、心から応援したい!というそういう人ばかりです。損得感情より先に、感動やワクワク感で人の心が動くのは、とても爽やかな気分がします。

もうひとつ、耳の欠けた猫の貯金箱のお話。聞かれた方も多いかもしれませんが、こんなストーリーです。陶器でできたかなり高い値段の猫の貯金箱。あるとき店員さんが間違って落としてしまい、猫の耳が欠けてしまいます。あわててボンドで修復するものの、これでは売り物になりません。これはもう売れないなと廃棄処分を考えます。そこへオーナーがやってきて、しばし考えた後、あるポップを手書きし、その猫の置物の横におきます。そこにはこう書かれています。
 「私は猫です。3月3日のおひな祭りの日に交通故にあい、耳を怪我してしまいました。でもお陰さまでもうすっかり元氣になりました。ちょっとおっちょこちょいですが、冗談のわかる猫です。よかったら私の友達になってください」
 そんなことしたって売れるはずない・・・店員は思ったに違いありません。しかし、それからしばらくたったある日、初老の紳士がやってきて「これをくれ!」と言います。「すみません、奥から新しいのを 持ってきますので」「いやいや、これが欲しいのだ。ついでにこのポップもくれ」ということで、耳の欠けた猫の貯金箱は、手書きのポップと一緒に定価で買われていったのです。心が動けば人は動く。初老の紳士は、冗談のわかる心の優しい人だったに違いありません。このポップを書いたというオーナーに先日お会いしてきました。丸〜い体形の貯金箱のような方でした。
 おまけや割引で損得勘定に訴えたり、あるいは、もうあと1時間で値上がりしますといった脅しではなく、爽やかに心を動かしてくれると嬉しいですね。ただし、爽やかさだけでは人の心はなかなか動きませんので(人間だもの)、爽やかさ7割、ちょっとお得感が3割くらいで買い物ができると嬉しいものです。

ビジネスに必要なことは、売上げ、利益、顧客満足、チームワーク、いろいろありますが、爽やかにお客様の心にささる何かがあると仕事もビジネスも面白くなるかもしれません。私がいるヒットビズでは、コストをかけず知恵とアイデアで売り上げを伸ばすサポートを日々行っています。その中で、こうした爽やかに心を動かす知恵も織り込みたいと思っています。
 日々、修羅場をくぐっている私たちの心に、ちょっと爽やかになれるかもしれないサプリのご紹介でした。今日もよい一日を!

2019年12月号掲載

ヒットビズ(人吉しごとサポートセンター)センター長 松山 真之助

ヒットビズ
(人吉しごとサポートセンター)
センター長
松山 真之助

ヒットビズ(人吉しごとサポートセンター)センター長。ジェイカレッジ校長。東京藝大非常勤講師。2018年12月からヒットビズセンター長として、地域の中小企業や起業家に対し、売上アップ、商品開発、起業などの支援を行なっている。「早朝起業」「図解でわかるファシリテーション」など著書多数。なぜか、でんじろう先生と呼ばれることもある。

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