各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
皆様とともに
“感染拡大防止”と“地域経済回復”を目指して!
令和2年7月豪雨により尊い命を失われた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
この4月より、熊本県商工観光労働部長を拝命しました。これまで企画・財政や国との調整、阿蘇くまもと空港へのコンセッション方式の導入などの業務に携わってきました。急速な時代の変化の中で、これまでの経験を活かし、現場の声をしっかりと伺いながら、スピード感を持って本県の経済振興・発展に取り組んで参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大により急速に冷え込んだ県経済は、県民一丸となった感染防止等の取組みにより、消費などに持ち直しの動きがみられますが、依然として厳しい状況です。そのような中発生した豪雨災害は、県南地域を中心に甚大な被害をもたらしました。4年前の熊本地震からの復興途上にある本県にとっては、新型コロナウイルス、そして今回の豪雨災害と、トリプルパンチと言っても過言ではありません。
県では、この難局に対し、国や商工団体等と連携し、中小事業者の皆様の取組みを全力で支援していきたいと考えています。
まず、事業継続に向けた資金繰り支援として、3月にコロナ対策緊急資金を創設し、民間金融機関を通じての実質無利子、無担保の融資を含め、融資枠を3,000億円まで拡大しています。(7月末時点の融資実績2,183億円)。
また、「持続化補助金」や「家賃支援給付金」などの国の支援策に加え、県では、コロナ禍での新たな事業展開や業態変更の取組みに対する独自の補助金や、民間団体と連携したテレワーク導入支援、経営課題に応じた専門家派遣事業等も行っています。
雇用調整助成金については、支給限度額の拡充、手続きの簡素化などが行われました。県では、雇用調整助成金を活用し雇用維持に取り組む中小事業者に対して、一律10万円の奨励金を創設しました。また、労働・雇用に関する様々な相談に対応するため、熊本労働局とともに、県においても専用相談窓口の設置やオンライン・日祝日相談など相談支援体制を強化しています。
特に大きな影響を受けている観光分野では、宿泊施設が行う感染防止対策等への支援のほか、県民向けの「くまもっと泊まろうキャンペーン」を実施したところです。今後は、デジタル媒体を活用した戦略的な情報発信、需要喚起策等を実施していきます。
コロナ禍の中で今回の豪雨災害により被災した地域の経済・雇用の早期回復を図るため、国は、熊本地震の際に事業再開を大きく後押しした「グループ補助金」を拡充した「なりわい再建支援補助金(新グループ補助金)」の創設をはじめ、小規模事業者や商店街の再建支援や金融による支援等を「対策パッケージ」として取りまとめました。
被災された事業者の皆様が一日も早く事業を再開し、地域経済の再生が進むよう、国の対策パッケージ等を最大限活用しながら、国や市町村、支援機関等と協力し、力強い支援を行っていきたいと考えています。
今後も、感染拡大防止と地域経済や県民生活の回復という2つの目標のベストバランスを目指して、様々な施策を展開して参ります。この難局を、皆様と一緒に知恵を出し合いながら乗り切って参りたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
2020年9月号掲載
熊本県商工観光労働部長
藤井一恵
昭和60年慶応義塾大学経済学部卒業。民間金融機関を経て平成4年熊本県庁入庁。平成25年 東京事務所次長、平成27年 企画振興部交通政策課長、平成29年 企画振興部交通政策・情報局長、令和1年 商工観光労働部総括審議員兼政策審議監兼商工政策課長。令和2年4月より商工観光労働部長。熊本県出身。
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