一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

熊本のグローバル化と英語の習得

熊本県中小企業家同友会会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。また、平素より本学に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

1926年に創立された九州ルーテル学院は、2026年に学院創立100年という大きな節目を迎えます。100周年を迎えるにあたり、新たな将来ビジョンの検討を進め、今回新たに学院としてインターナショナル小学部設置の方針を決めました。インターナショナル小学部は2024年の4月の開校を目指して現在準備を進めていますが、インターナショナル小学部新設の背景には100周年事業であるということに加え、熊本の子ども達の教育の充実と世界的半導体受託製造会社である台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県への進出をサポートするという理由もあります。
熊本県にTSMCが進出するにあたり、従業員の子どもたちの教育環境が課題となっていました。特にTSMC従業員からは英語で教育を受けることができるインターナショナルスクールを希望する声が多く、また県内の子どもを持つ保護者に対して行ったアンケート調査でも、子どもの英語教育に関心がある保護者の割合が非常に高い結果となりました。そのため、県内の教育機関として児童が英語で教育を受けることができる新しいインターナショナル小学部を設置する意義があると判断しました。

なぜ子どもの英語教育に関心が集まっているのでしょうか。その背景には日本のグローバル化で今後さらに英語の必要性が高まることに加えて、大人の英語に対する複雑な感情があるように思います。「中高大と何年も英語を学んだにも関わらず、海外旅行の際に英語でコミュニケーションが取れなかった」「受験で難解な英文法を必死に学んだのに英会話はできない」等々、これまでの英語教育に対する不満が感じられます。そのため、我が子にはせめて英語(の会話)ができる大人になって欲しいという願望があるのかもしれません。

では日本人にとって英語の習得は簡単なことでしょうか。残念ながら決して容易なことではありません。まず、日本語と英語は言語としての距離が遠いため習得にはとても時間がかかります。また、受験のために英語を学ぶことが多く、受験が終わると英語学修に興味がなくなるという「動機づけの弱さ」もあります。そして英語を使う際に誤りを犯すことや、人前で恥をかくことを極度に恐れる日本人独特のメンタリティもあるのかもしれません。

その点、子どもは自我が確立されていないためこのハードルが低いとも言われています。しかし、英語の習得は大人になってからでは遅すぎるということはありません。結局、英語の習得には王道はなく、学修動機づけを維持し、英語のインプットとアウトプットを増やし、地道に時間をかけて努力する以外に方法はありません。子どもの時から早く始める利点はインプットとアウトプットの総量が結果的に多いことです。

昨今のグローバル化によって、世界共通語の英語を使ってコミュニケーションをすることが当然となった現代において、英語を使いこなすことはライフ・スキル(生きるために必要な技能)になってきました。皆様もぜひ英語の学修をして、世界中の人々と英語でコミュニケーションをして頂きたいと思います。

2023年3月号掲載

九州ルーテル学院大学 学長 松本 充右

九州ルーテル学院大学
学長松本 充右

1965年(昭和40年)生まれ。神奈川県横浜市出身。明治学院大学大学文学部英文科卒。明治学院大学大学院文学研究科英文学専攻博士前期課程修了。1990年、前身の九州女学院短期大学英語学科助手に任用され、2001年、九州ルーテル学院大学人文学科准教授。2003年からは米国ロチェスター工科大学とキャピタル大学の客員研究員に。2010年教授。2020年から副学長を務め、2022年4月に学長に就任。専門は応用言語学、英語教育。

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