各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
社会変化に伴う
行政書士の目線
この度「会員中小企業家に向けての提言」というテーマで執筆させていただくにあたり、私達行政書士について説明いたします。
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成、行政不服申立て手続代理等を行います。例えば飲食店を始める際の「営業許可」や外国人が日本で暮らしていくため必要な「在留資格」、その他に「建設業許可」「農地転用許可」等の各種許認可申請、また相続に関する遺産分割協議書、会社設立に関する定款や議事録の作成等、行政書士は法律専門国家資格者の中でも特に幅広い業務範囲を持っています。
私が行政書士業務を行う中で提言を考えた結果、以下の3点をあげたいと思います。
はじめに「事業承継における許認可の重要性」です。創業以来日本の発展に貢献し、卓越した知識、技術を基に営まれた事業者が後継者不足により廃業に迫られるニュースは社会問題であります。事業承継はその問題を解決する方法ですが、特に気を付ける必要があるのは事業が「許認可」により行えているかの確認です。許認可が事業承継により失効する事態となれば事業に多大な影響を及ぼす恐れがあります。「ヒト」「カネ」も重要ですが「許認可」についても事業承継の際は現状把握をされてください。
次に「デジタル化への対応」です。行政書士業務も電子申請をはじめデジタル化が進んでいます。行政書士会ではデジタル化の基となるマイナンバーカードの普及にも力を入れており、地方自治体と連携しカード取得が困難な方へ行政書士が代理申請を行う事業もスタートします。建設業者が必要な「建設業許可申請」等各種許認可もオンラインシステムが整備され、今後紙からオンラインへと変わっていきます。対応に苦慮される方も多いと思いますが、その際は行政書士への相談や代理申請を通してデジタル化へ対応することも有益と考えます。
最後は「外国人の適正な就労」です。日本の人口減少に伴い今後外国人を雇用される事業者は増加するものと推察します。外国人は日本で行う活動によって「在留資格」が与えられ、仮に在留資格と違う内容の仕事に従事させている場合、雇用している事業者は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。「出入国管理及び難民認定法」等法令を遵守した適正な就労が事業者に求められます。
最後になりますが、行政書士会では相談会を実施し、今回の提言等皆様のお悩みに応えて参ります。詳細は行政書士会ホームページをご覧ください。会員の皆様の益々のご発展とご活躍を心からご祈念申し上げます。
2024年10・11月号掲載
熊本県行政書士会会長櫻田 直己
昭和56年10月15日生まれ
42歳 熊本市出身
平成24年4月 行政書士登録
櫻田行政書士事務所開業
平成29年5月
熊本県行政書士会 総務部長
令和元年5月
熊本県行政書士会 副会長・事業推進部長
令和3年5月
熊本県行政書士会 副会長
令和5年5月
熊本県行政書士会 会長
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