各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「世界に開かれた熊本」 ― 地域経済の活性化に向けて ―
【はじめに】
昨年7月から商工労働部長を拝命しております。これまで工業や観光振興、部局間の総合調整など、主に商工分野の業務に携わってきました。これまでの経験を活かしながら本県の経済振興・発展に取り組んで参ります。県では、昨年12月に、県政運営の基本方針である「くまもと新時代共創基本方針」を策定しました。「世界に広がる」「人を育てる」「共に創る」をキーワードとし、「県民みんなが安心して笑顔になり、持続的で活力あふれる熊本の未来を共に創る」ことを基本理念とするこの基本方針に沿って、木村知事のもと、引き続き県民の皆様とともに対話と挑戦を続け、「県民が主人公の県政」を推進しています。半導体産業の復活に向けた我が国の方針のもと、本県に進出したTSMC効果により、熊本県ではかつてない経済の活況の波が押し寄せています。
【人材確保の取組み】
こうした中、商工労働部では、若者の県内就労や人材の育成・確保を進めることを目的に、昨年8月、知事を本部長とする「くまもとで働こう」推進本部を設置しました。「くまもとで働こう」推進本部では、建設、運輸、医療・福祉など様々な分野において、人手不足が深刻となっている中で、各分野の人材の育成・確保を図るため、関係部局と連携体制を構築し、課題共有やその解決に向けた取組みを進めています。特に、その影響が大きい中小・小規模事業者の方々の状況をしっかり注視し、取組みに反映させることが肝要と認識しています。新規学卒者等の「県内定着」、教育機関等と連携した「人材育成」、DX等による「生産性向上」、さらには「働きやすい職場環境づくり」など、熊本の活力となる人材の育成・確保を推進して参ります。
【半導体産業集積効果の県内全域への波及に向けた取組み】
TSMCの熊本進出を契機に、県内では、半導体関連企業の進出が相次いでいます。この進出効果を県内全域に波及させていくことが重要であり、経済波及効果の最大化に向けて、半導体サプライチェーン参入の支援や、中小企業の稼ぐ力を強化するためのDX・GX推進のほか、県土の均衡ある発展に向け、県南地域への企業誘致の促進等にも引き続き取り組んでいます。加えて、県では、現在、菊池市と八代市の2か所で、工業団地の開発に取り組んでおり、早期の分譲を目指して整備を加速しています。
【結び】
各地域がそれぞれの魅力を最大限に活かし、地域経済を発展させていくためにも、「世界に開かれた熊本」をキーワードに、投資や消費の拡大、台湾を中心としたインバウンド需要の拡大などのチャンスを活かす方策を、県と市町村、経済界と連携して様々な視点で進めて参ります。皆様とともに、この機会を大きなチャンスととらえ事業を発展させて参りたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
2025年6月号掲載

熊本県商工労働部長上田 哲也
平成2年4月熊本県庁入庁。平成30年 商工観光労働部観光物産課長、令和2年知事公室秘書グループ課長、令和3年 企画振興部地域・文化振興局長、令和3年9月商工労働部政策審議監兼商工雇用創生局長、令和5年 環境生活部政策審議監、令和6年4月1日 環境生活部政策審議監兼県民生活局長、令和6年4月16日 商工労働部 総括審議員兼政策審議監、令和6年7月より商工労働部長。熊本市出身。
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