熊本県中小企業家同友会

特集

核心

経営課題への解決の糸口が、ここにある!

全員参加型の社会を目指して!

(有)大平コンクリート工業所 取締役、(株)咲 代表取締役 早咲 京子(副代表理事)

(有)大平コンクリート工業所 取締役
(株)咲 代表取締役
早咲 京子(副代表理事)


  • ・いつも力を合わせて行こう。
  • ・かげでこそこそしないで行こう。
  • ・いいことを進んで実行しよう。
  • ・働くことがいちばんすきになろう。
  • ・なんでも、なぜ?と考える人になろう。
  • ・いつでも、もっといい方法はないか、探そう。

※ 社内に掲げてあった「山びこ学校」の言葉です。

■ 女男平等社会へ

「作家」「棋士」など、本流は男性で、女性は「女流」と付かないと、男性と一緒には並べないと言う社会通念があります。今回熊本で設営を担当する全国大会「女性経営者全国交流会」にもそれを感じます。社会での男女比は、家庭とは違うのです。男性はこの社会が当たり前で、女性は「おまけ」的社会。同友会全体も1 ~ 2割程度しか女性会員がいないので、役を付ける場合も、男性には10分の9、女性は10分の1しかチャンスがありません。女性経営者の部会「くまもとソレイユ」、女性に陽が当る場所として成長できる場としての今回の全国交流会。将来女性の経営者が増えて半々になれば、女性部会も女性経営者全国交流会もなくなってもいいかも知れませんね。


■ エピソード

ソレイユの例会では、司会も座長もグループ長も全部女性が担当するので、女性にとってスキルアップできる場となっています。今はまだ、女性にとって必要な組織です。昨年ソレイユの小坂さんが大阪での女性経営者全国交流会分科会で発表する事になり、リハーサルをしました。グループ討論で、あるグループは男性が二人、女性の意見に押されて、「せめて男女半々で討論をしたい」とおっしゃいました。「それは、いつも女性が思っている事です」と言って大笑いをしました。


■ 同友会入会

同友会に入会し7年近くになります。津川代表理事(当時)の紹介で入会しました。入会したいと思ったのはグループ討論です。社員さんがいるグループの時もあり、この会は素晴らしいと感じました。講演会に行くのがもともと好きでした。同友会は話を聞くだけの会ではないところが素晴らしいです。初めて会った人同士が、本音でなんでも話せるなんて、驚きでした。ある先輩会員から「同友会では、車自慢と儲かり自慢は、すぐいなくなる。自社の課題を見つけて、苦しいを解決していこうとする人が残る」と言われました。


■ 入会後

入会後は、所属支部だけでなく、支部の垣根を越えてほとんどの例会に参加しました。経営実践報告例会にも、同友会を体感するために積極的に参加しました。新入会員の頃、グループ討論の記録係、発表者になった事があります。入会したばかりだったので驚きました。同友会はフランクで、隔たりがありません。学びの場です。入会後しばらくすると、役を振られました。最初になったのは、東支部の副班長。班の連絡係をしました。ところが入会3年目に松尾代表理事から南支部への転籍を依頼されたのです。ソレイユが立ちあがって1年目のことでした。

同友会では、何か投げると必ず答えが返ってきます。他人の課題であっても自社に生かせる学びがある。皆さんの実体験が元にあるので参考になるのです。

昨年八代で行った実践報告例会で小屋松代表理事が「早咲さんは素直ですね」と言われました。私はいいなと思った事はすぐ実行に移す事にしています。「分かったから行動するのではない。行動する事で分かる」と昨年県例会で報告された橋本社長もおっしゃっていました。


■ 学びの実践

大平コンクリート工業所では、個人カルテを作っています。年に1回の個人面談では、まず本人の健康、次に家族の事、夢について、最後に仕事の事を聞きます。仕事と個人の目標を聞きます。短くて30分最大3時間半話した事があります。その前の日報は交換日記のようなやりとりをしていました。お互いが分かり合う事が大切と思います。その効果があってか、社員の皆さんは自分のやるべき事を十分理解してくれていて、私たち役員に注文を付ける事さえある位です。以前は、社員全員の会議に参加していたのですが、意見が出難いので、社長である夫と私は参加しない事にしました。毎週一回、社員だけで会議をしています。そこでは工場の運営をするための情報交換なども行っています。自主性が育ってきましたね。わが社では、10時と15時に15分間の休憩があります。緊急に入って来た仕事(小ロットで小型)の割り振りなどもこの時間を使ってやってくれています。

私たちの仕事は、家とか建物の雨水・汚水・雑排水をためる桝、フェンスの基礎石、交通標識の基礎などを作る社会のインフラ的仕事です。社長(主人)は、とてもワンマンでした。その社長がある時病気になりました。自分がいないと成り立たない会社だと豪語していましたので本人はすごく落ち込みましたが、入院中も会社は滞りなく運営できたのです。ワンマンでも同友会理念で一生懸命頑張っていた社長だったから、社長がいない間は俺たちが頑張らなければと、働いてくれたお陰です。

主人の親から事業を引き継いだだけでしたので、経営の勉強などした事もありませんでした。そこで理念の必要性を感じた主人と共に「経営指針を創る会」に参加してみて、勉強の大切さを知ると同時に、自社の経営に不安を覚えました。そこで学んだ事を自社に生かすべく、財政状況などを幹部社員に伝えていたので、仕事が減って窮地に立たされた時も、社員の皆さんが給与カットを受け入れてくれました。その後二度とこのような事態を招かないように、同友会で知り合った税理士さんに個人レッスンを頼みました。その方にすべてをさらけ出し、どこをどう切り詰めるかなど学びました。その後仕事が増えて、今では製造が受注に追いつかない位になりました。


■ ソレイユ初代部会長

副代表理事になって今年で4年目です。津川さんから薦められて、ソレイユの設立に関わりました。津川さんは女性部会を設立するための担当理事でした。第37回中小企業問題全国研究集会(沖縄)に参加した当時の理事の方々が、沖縄の女性部会の力強さを見て、女性の持つ力を確信されたことが、熊本の女性部会誕生に繋がりました。当時は、入会して1年ちょっとだったので、まさか自分が部会長になろうとは思いもしませんでした。

準備会に女性会員が集められたのは秋で、翌年の5月には結成する運びになっていました。ところが肝心の部会長が決まりません。12月か翌1月頃だったと思います。先輩会員の内野さんから推されて私がソレイユの初代部会長に決まったのです。私が受けないと5月の設立はムリだと思い、決心しました。女性部には全国連絡会があり、準備部会の代表として、さっそく行く事になりました。そこで多くのパワフルな女性経営者に出会ったのです。そこでは勉強会や、グループディスカッションがあり、同友会は女性で持っているような話になり、埼玉女性部では在宅の女性を新しい就職に結びつけることを調査し企業家を育てる同友会のプログラムを行ったことで賞を貰ったりしていました。中小企業で共同保育所が持てないかの模索もありました。すごい刺激を受けると同時に皆さんに励まされ、熊本でも自分一人でやる訳ではないと、霧が晴れた思いで、帰って来ました。

そこから気持ちが切り変わりました。この会に入る意志を示した人でスタートする事にしました。まず準備委員会を立ち上げ、20人近くに賛同していただきました。ソレイユは、今年で6年目になります。


■ 女性経営者全国交流会に賭ける想い

一言で言えば、主体的に参加して欲しいです。同友会は、他人から薦められて入会したとは言え、自分で決断して入会された方々です。いつまでも他人に頼らずに、自分の主体的な学びの場にして、この場を楽しんで欲しいです。心ある学びをしようと意識の高い人たちが全国から集まります。熊本の例会以上のものを味わうも味合わないも自分次第だと思います。記念講演で登壇される中嶋玲子さんは、パワフルで芯の強い方です。素晴らしい講演会になると確信しています。男女が一緒に作る社会、そのきっかけになればと願っています。

(株)咲の創業をはじめとして全員参加型の社会の実現が私の使命だと考えています。こども、高齢者、障害を持った方々、すべての人にとっての社会。すべての人がまわりの人に対して自分に何ができるのかと問いを立てあいながら幸せに暮らせる社会の実現、私の大きな夢です。

全国交流会では、女性として素晴らしい経営をしている社長ではなく、人間として素晴らしい経営をしている女性経営者やその社員の皆さんや、女性を活用されている男性の経営者の分科会も用意されています。

ワクワクして参加して欲しいです。全国の方々をお迎えするのだから、皆で「おもてなし」をしましょう。熊本のファンになって帰っていただきましょう。

熊本のソレイユが全国行事を設営できるのは、男性たちが必要と思われて生まれた会だからだと思います。男性のバックアップは、熊本が日本一だと思っています。大阪で行われた昨年の女性経営者全国交流会にも、熊本の男性会員が沢山参加してくれました。他県にはない現象です。男性の協力がなくては、一歩も前には進みません。熊本同友会全員で6月12日、13日の全国交流会を成功させましょう!



2014年2月号掲載

【インタビュー】
(株)ゆうプランニング 代表取締役 木村 正夫
(熊本同友会広報委員長)

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