各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
最近、思うこと
わたしの赴任地、荒尾・玉名に「新玉名駅」が開業して1年が過ぎました。この「新玉名駅」は、県北の玄関口でありますが、地域にとってはランドマークにもなっており、希望の星でもあります。
開業前から、地元ではこの開業効果を最大化するために、民間と行政による様々な取り組みがなされてきました。「薬草と温泉の郷・玉名」は、近年の健康ブームに乗って県内外にアピールできるものに育ってきています。また、新玉名駅周辺では、地域の方々による種まきによって菜の花プロジェクトが展開され、開花する時期には多くの方々の目を楽しませて、今や玉名の春の名所にもなりつつあります。荒尾市では、孫文を支援した宮崎兄弟の生家もあり、昨年、辛亥革命100周年事業が大規模に開催されました。また、今年は、上海市において「宮崎滔天と孫中山展」への出展も予定されており、熊本・荒尾のPRや日中友好にも一役を買う取り組みになっています。
話は少し変わって、県外から来られる方への「おもてなし」についてです。わたしは、赴任後、玉名市内で生活をしていますが、近くには高校や小学校があり、朝夕、生徒さんたちが、よくあいさつをしてくれます。赴任当初、初めての単身生活で不安もありましたが、そのような気持ちの良いあいさつに触れて、すぐに玉名を気に入ってしまいました。同じようなことは、県外から熊本に来られる方からも聞くことがあり、熊本のファンを増やす「おもてなし」は、こんな住む方々の日常にあるのではないかと思っています。
また、わたしのプロフィールで趣味を「ロアッソ熊本」と書かせていただきました。昨シーズンはJ1昇格に至らず残念な思いをされた方も多かったと思います。応援というか「参戦」をしていると、サッカーそのものの面白みはもちろん、一喜一憂、特にゴールなどでのスタジアムの一体感を感じると、自分は人生で得をしているなぁと思います。ロアッソが熊本になかった頃の自分と比べるとだいぶ「幸福量」が大きくなっていると感じています。以前は、このような形で、「熊本」を盛り上げるものがありませんでした。よく聞かれることで「肥後の引き倒し」というものがあります。KKWを赤一色に染めて大声援で応援し、県民こぞって盛り上がってJ1に昇格していくようなことになれば「肥後の引き倒し」とか揶揄されることも少なくなるのではないでしょうか。
昨年「全国ゆるキャラ日本一」に輝いたくまモンの生みの親で、天草出身の脚本家小山薫堂さんが、ある講演会で「新幹線開業でどれだけの経済効果があるかは、自分には分からないけれど、大切なことは開業によって地域が一つになること」という趣旨のことを言われていました。今年4月には熊本市が政令指定都市に移行し、熊本は新幹線開業と相まって「百年に一度のビッグチャンス」の時期にもあります。
日本でも、昨年は東日本大震災、原発事故があり、これまで世界に誇ってきた経済や安心・安全にも影響を及ぼしています。しかし、これを乗り越えていく必要があります。それは、単なる復興ではなくて、この苦しい経験を活かした、世界でも類をみない新しい日本になることだと思います。それがいわゆる先進国であり、何よりも不幸にして犠牲になられた多くの方々などに報いることではないでしょうか。
資源の少ない日本にとって、そして熊本にとっても、今ほど人々の「和」「絆」が求められている時はないように思います。
貴会「熊本羅針」1月号にありました「学びと絆を深め、『元気熊本」づくりに貢献!」のような取り組みがさらに広がっていくことを期待しています。
2012年4月号掲載
熊本県玉名地域振興局 局長
村山 栄一
昭和29年球磨郡深田村(現あさぎり町)生まれ。人吉高校、九州大学経済学部卒業。
県庁では、工業振興、教育、企画開発、健康福祉、市町村行政、農政などの分野を経て、平成23年4月から現職。
趣味は、ランニング、テニス、ロアッソ熊本
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