一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

「玉名に住んで良かった」と言える都市(まち)づくりを目指して

3月11日に発生しました「東日本大震災」におきまして、多くの方々が尊い命を亡くされ、そのご遺族に対し、心からご冥福とお悔やみを申し上げます。また、なおも避難所に避難されている被災者の皆様方に、一刻も早い支援の手が届くことを心より願うばかりです。このような中、4月上旬、私は福島県相馬市を伺い、市民の皆様方からご提供いただいた水や粉ミルクなどの支援物資を届けてまいりました。被害に見舞われた海沿いの集落では、あたり一面、建物や木、電柱などがなぎ倒され、流され、瓦礫の山となっている状況を目にし、愕然とし、言葉も出ませんでした。今こそ、日本が一つになり、復興の輪を広げ、一日も早い復興のため支援を続けていかねばならないと痛感したところです。


さて、3月12日に玉名市民はもとより熊本県北地域、長年の悲願でありました九州新幹線が全線開業いたしました。新玉名駅から博多までは40分、鹿児島まで1時間、大阪までは3時間半で結び、県北地域にとって九州管内はもとより関西圏が日帰りできるエリアとなり、本市の存在は大きなものと確信しています。この開業を機に、広く多くの方々に玉名市の魅力を発信し、山鹿・菊池・阿蘇地域との連携による立地条件を活かした観光振興を目指していきたいと考えております。


近年、少子高齢化の進展とともに、更なる人口減少が進む中、1300年余りの歴史を有する玉名温泉、そして豊かな農産物、また博多から40分という立地を活かした、企業誘致による雇用促進や通勤圏としての定住化促進への期待は大きなものがあります。そこで、本市では、4月から住宅の取得に伴って転入した方を対象に補助する制度として、住宅取得補助金、住宅リフォーム補助金、新幹線通勤定期券購入補助金の3つを新たに制度化しました。これにより、福岡都市圏への通勤、通学の利便性の向上とともに、定住化がすすむことで市街地の活性化につながるものと期待しています。


また、地域経済の活性化については、本市の基幹産業は農水産業であるという認識のもと、生産から加工、販売流通までの1次、2次、3次産業を掛け合わせた「6次産業」の構築が必要であると考えております。そこで、玉名市独自の6次産業化の確立に向けた取り組みを行っています。


一方、市政に対する意見要望や今後の市政方針等について、市民の皆様との対話を通して相互に理解を深め、できるものから市の政策に反映させていくために、「市長と語ろう座談会」を開催しています。


行政としましては、景気の低迷による税収の減少や人口減等により、市の財政状況が厳しい中ではありますが、行財政の効率化への取り組みを進めながら、今後とも市民の皆様が「玉名に住んで良かった」と言える都市(まち)づくりを目指し、全力で取り組んでまいります。


最後に、中小企業家同友会の皆様方におかれましては、地域に根ざした同友会として、社会的責務を遂行されるとともに、本市の発展にご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。 


新玉名駅

2011年5月号掲載

玉名市 市長 髙嵜 哲哉

玉名市 市長
髙嵜 哲哉

昭和20年8月24日生まれ、昭和39年3月熊本県立玉名高等学校卒業。
昭和45年4月玉名市青年団協議会会長就任、昭和60年1月玉名青年会議所理事長就任、 昭和61年8月玉名市議会議員当選、その後、玉名市議会議員を4期務め、平成11年10月玉名市長当選。
2期務め、平成17年10月1市3町で合併、平成21年11月13日玉名市長就任

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