各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「よそ者」から見た熊本
一般社団法人 熊本青年会議所は、20歳~ 40歳までの若き青年経済人で構成されており、2014年1月末現在のメンバー数は236名(うち仮入会者23名)を数えます。「明るい豊かなまちづくりの実現」をテーマに様々な活動、運動をし続け、2015年には還暦を迎えるまでに歴史を重ねさせて頂きました。
私の入会歴は今年で11年となり、本年度こそ理事長を拝命してはおりますが、実は生粋の熊本人ではありません。28歳の時に、それまで生まれ育った北九州市を離れ、骨を埋める覚悟をもってこの熊本の地に移り住みました。
熊本は素晴らしい土地です。人柄は温かく実直であり、なおかつ初志貫徹を実行できる人物が多く揃っている様に思います。観光資源にも恵まれ、日本三大名城の一つである熊本城や江戸時代初期に開園された水前寺成趣園を市内に有し、また少し足を伸ばせば、阿蘇という世界的ブランドもあります。さらに熊本に縁のある著名人も多く、宮本武蔵や横井小楠、小泉八雲、夏目漱石などを偲ぶことのできるスポットも数多くあります。
そんな熊本に対する「よそ者」からの率直な感想は、「素晴らしい資源がこんなにたくさんあるのに、その多くは眠りについているのではないだろうか」ということです。灯台もと暗し、あまりに身近すぎると、それらはいつの間にか「あって当たり前」のものになってしまうのかもしれません。
私たちは熊本の地で生きていく経済人です。熊本の持つ様々な価値観を県外へ積極的に発信し、まずは熊本に来て頂く、そして熊本を好きになって頂く、さらにまた来て頂く、もしくは熊本の物産を購入して頂く。この循環を活発化させて地域経済を少しでも活性化させることが、地域に根ざす経済人の使命の一つではなかろうかと思うのです。
本年度、歴代の先輩方のお力添えにより、『第33回 全国城下町シンポジウム 熊本大会』を誘致、開催する運びとなりました。本大会では、城下町に眠っている可能性、もしくは新しい可能性を、城下町に住む人々と共に発掘し、その可能性を今後のまちづくりに活かしていくことをテーマとしています。熊本での開催は実に23年ぶりの事であり、現在鋭意準備中です。上述した熊本の持つ魅力を最大限に発信し、県外から来られる方だけではなく、この城下町くまもとに住む市民の方々と一緒に、新しいまちづくりの可能性を見つけ出したいと思っております。
冒頭に述べさせて頂いた様に、私はいわゆる「よそ者」です。よそ者だからこそすぐに気付ける熊本の持っている魅力は、まさに盛りだくさんです。もう一度俯瞰的に、この熊本という土地を見てみることが必要な時期に来ているのかもしれません。俯瞰的にみた後に、新しい可能性の扉をこじ開けるのは「若者」と「ばか者」の使命かもしれません。
いましばらくは「青年」と呼ばせてもらえる私たちの世代。この大好きな熊本をより良くするために、率先して活動して参ります。
2014年3月号掲載
一般社団法人 熊本青年会議所 2014年度 第60代理事長
野瀬田 隆
昭和50年5月10日生
平成11年3月国立療養所福岡東病院付属リハビリテーション学院卒業。(株)モトーレンフロイデ代表取締役副社長。
(社)熊本青年会議所/平成15年入会、26年理事長就任
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