各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「皆様と共に歩みます」
熊本県中小企業家同友会の皆様には、日頃から、私ども信用保証協会をご利用いただきまして、心より御礼申し上げます。
また、正月の賀詞交歓会にもお招きいただき、会員の皆様と親しく交歓をする機会をいただきました。3年半前の30周年記念大会以来でしたが、いつお邪魔してもとても活気のある会で、今回も貴重なご意見やご要望と共に私自身も大きな元気をいただきました。誠にありがとうございました。
さて、わが国経済を支えている中小企業ですが、その数がここ10年間余りで全国では約100万社減少し約385万社、県内においても約1万社減少し約5万3千社となっています。
時代の流れと共に業種ごとの盛衰はある意味必然ではありますが、全体数の急激な減少は日本経済全体の地盤低下を招く大きな問題です。また、諸外国と比較した場合の開業率(1.4%)の低さや廃業率(6.1%)との格差も大変気にかかるところです。少子化による後継者不足、若者の創業意欲の低下、ベンチャー育成を取り巻く社会環境等、様々な要因が指摘されていますが、いずれにしても日本として総力を挙げて取り組むべき喫緊の課題です。
当協会においても、経営支援や再生支援と共に創業支援を大きな柱として力を入れています。低率の保証料を設定するとともに創業後3年間にわたる専門家派遣等のフォローアップを実施しています。また、「創業保証ユーザー会」を設置し、創業後まもない会員相互間のビジネスマッチングや同じ悩みを持つ会員同士の語らいの場を設けるなど、横のつながりを持つためのお手伝いをしようと考えています。
また、昨年度から始めたNPO法人に係る保証に加え、新年度からは6次産業化等の新たな分野となる農業ビジネスにも間口を広げたいと考えています。
現在、国において中小企業政策審議会を中心に信用保証制度の在り方についての検討がなされています。原則8:2となっている協会と金融機関の責任共有制度の保証割合の見直しや災害時等におけるセーフティネット保証の事前準備などがテーマになっていますが、どのような変更になろうとも、当協会としては「顧客目線」を持ち「顧客の立場」に立った協会運営に努めて参ります。
今年1月、当協会の若手職員10名程と西原村と菊陽町に工場があるN社を視察しました。本社は大阪ですが、製造拠点は全て熊本県内という会社です。超高硬精密金型製造が主体ですが、最近は航空産業や宇宙産業にも進出しているいわゆる「下町ロケット」会社としてTV等でも紹介されている超優良企業です。
最新鋭の設備を使っての『NOと言わない。私達にしか出来ない。』という最高の技術・技能に裏打ちされた企業モットーに感心し、全社員を対象に実施されている「道場」での手作業による切削訓練(匠の技の伝承)に感銘を受けましたが、意見交換の中で信用保証に望むこととの質問に対する社長の言葉が今でも私の脳裏に残っています。「私達中小企業は好不況の波が大きいが、苦しい時こそ助けてほしい。その時期を乗り越えて今の当社があります。」私ども、その言葉を肝に銘じて中小企業の皆様方と共に歩んで参りたいと思います。
最後に、パワー全開で大変元気な熊本同友会の皆様方が会員同士で時には力を合わせ、時には切磋琢磨されて、同友会の隆盛のみならず熊本の経済をも益々活性化されますようご期待しご祈念申し上げます。
2016年4月号掲載
熊本県信用保証協会 会長
真崎 伸一
昭和30年3月生まれ。昭和56年3月早稲田大学法学部卒業、同年4月熊本県庁入庁、平成15年4月商工観光労働部企業立地課審議員、19年4月東京事務所次長、21年4月商工観光労働部企業立地課長、22年4月商工観光労働部新産業振興局長、24年4月商工観光労働部部長、27年3月熊本県庁退職、27年7月熊本県信用保証協会会長就任、現在に至る
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