各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
自主自立のまちづくりを目指して
本市が政令指定都市に移行し、西区が誕生してから今年で7年目となります。
西区は、金峰山や有明海などの豊かな自然を有し、その恩恵を受けて古くから農水産業が盛んに営まれてきました。また、由緒ある名所・旧跡が区内各所に点在し、祭りや神楽などの伝統が受け継がれるなど、歴史・文化にも恵まれています。一方では、熊本駅や熊本港、西環状道路などの交通結節機能や、市民の台所である田崎市場を有するなど、都市機能も充実しており、本市の中でも特に魅力あふれるエリアと思います。
しかしながら、西区は本市の中でも特に少子高齢化が進んでいる地域であり、指定都市移行後、熊本地震発災までは本市の人口は少しずつ増加してきたにも関わらず、西区の人口は年々減少しており、他の区に先んじて人口減少問題に直面しています。
また、産業面では大きな事業所が少ないことなどから第2次・第3次産業の占める割合が他区と比べてやや低く、区の強みである第1次産業においても後継者不足が顕在化しています。さらに、西区を訪れる観光客は市全体の1%程度にとどまるなど、経済・観光面の弱さも西区の課題といえます。
これらの課題の解決を図るため、これまで西区では「金峰望む 華のあるまち西区」をスローガンとして、①安全安心のまちづくり、②子育てしやすいまちづくり、③楽しさあふれるまちづくり、④農水産業を生かしたまちづくりに重点的に取り組んできました。
さらに、昨年は西部・河内・花園の3箇所にまちづくりセンターを新設し、9名の地域担当職員を配置して地域に根ざしたまちづくりを進めているところです。
直面する課題に対応しながら、西区が今後も持続的に発展していくためには、地域が自ら考え、自分達のまちを築き上げていく「自主自立のまちづくり」が求められており、そのためには「自治の心」を醸成し、地域が主体となって課題を解決し、地域が持つ魅力を磨き上げるなど、「地域力」の強化が大変重要であると考えます。
そこで、本年度の西区のまちづくり方針として、①地域ニーズへの柔軟な対応、②自主自立のまちづくりの支援、③地域との連携、④「地域の宝」の活用を掲げました。
具体的には、①各まちづくりセンター等が、地域から寄せられるニーズや課題に迅速かつ柔軟に対応、②地域が主体となった取り組みに対する支援や行政に頼らないまちづくり手法の修得、③地域と連携して行う豊富な地域資源の活用や防災・健康まちづくりの推進、④地域住民が誇れるような「地域の宝」のブラッシュアップ、に取り組んでまいります。
さて、日本経済の大宗を占める中小企業は、地域における雇用の創出など地域経済の発展に大きく寄与していただいておりますとともに、様々な社会貢献活動により地域社会を支えていただいております。中小企業家同友会の会員の皆様におかれましては、区が目指す「自治の心」の醸成や「地域力」の強化の実現に向けて、これまで以上に地域に積極的にご協力いただきますとともに、企業ならではの視点から、まちづくりについてのご提案やアドバイスをいただければ大変ありがたく存じます。
区としましても、今後も地域とのつながりを大切にしながら、区民の皆様、そして中小企業の皆様とともに西区の魅力を活かした自主自立のまちづくりに全力で取り組んでまいりますので、皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
2018年7月号掲載
熊本市西区長
深水 政彦
昭和36年9月生
昭和60年 熊本大学法学部 卒業
同年 4月 熊本市役所 入庁
平成21年 市民病院経営企画課長
平成25年 教職員課長
平成28年 学校教育部長
平成29年 教育次長
平成30年 西区長
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