各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「2019年ビッグプロジェクト」を
ビジネスチャンスに
熊本地震から3年4カ月が経過しました。
現在の熊本は、復興特需が一段落し、各種経済指標はいずれもダウントレンドの様相を示しています。また人手不足による需給バランスの逆転や人材確保のための防衛的賃上げという言葉を耳にする機会も多く、中越、阪神・淡路など過去の震災と同様に、発災から3年後の2019年に県内GDPはピークアウトする可能性が高いとするレポートが発表されています。
震災直後からの政府の手厚い支援により、法人企業の倒産件数こそ最小限に抑えられておりますが、全国的な景気悪化が発表されるなか、マーケットの縮小と人手不足は震災復興のディスアドバンテージと懸念しているところです。
そうしたなか、今年2019年は、「ラグビーワールドカップ(10/6・13)」「女子ハンドボール世界選手権大会(11/30~12/15)」の開催をはじめ、「サクラマチ・クマモト」の開業や「熊本城天守閣」の再建など、国内外からの誘客を促すビッグプロジェクトが目白押しです。
ハード面においても、観光の目玉である阿蘇では、九州横軸の大動脈である「国道57号北側ルート」、「JR豊肥線」の2020年度中の開通、復旧が見込まれておりますし、JR熊本駅の新駅ビル開業、八代港の国際クルーズ拠点整備、熊本空港の国際線・国内線一体型ターミナルビル建設など、陸・海・空の玄関口がこの数年内で一気に刷新され、熊本は交通インフラの機能性・拠点性向上による魅力的な地域へと発展を遂げようとしています。
一連のプロジェクトを通した経済効果は、2つの国際スポーツ大会で190億円、サクラマチ、新熊本駅ビルではそれぞれ200億円と試算され、八代港では年間200回の国際クルーズ船の寄港、熊本空港では国際線を17路線へ拡大する目標値を設定されています。
広域からの消費流入は、復興需要収束後の地元経済を下支えする副次効果も期待されます。そのため、国際スポーツ大会と同時期の9月28日・29日に市内中心部で開催される九州・山口の祭りを集結した「祭りアイランド九州」や、食と土産品を集めた観光物産展「九州・火の国元気祭り」で熊本の更なる賑わいを創出し、世界に向けて創造的復興をアピールしたいと考えています。また、震災を踏まえて、熊本経済同友会とともに策定した30年後の熊本都市圏ビジョン「中心市街地グランドデザイン2050」についても、県、市、熊本大学とともに今後10年間で取り組む具体的な事業の構築に努めて参ります。
熊本経済にとって、今まさに“追い風”となる大きな変化が訪れようとしています。
この機会をフルに活用して、地域経済の原動力である中小企業家同友会 会員企業の皆様の経営にお役立ていただくことが、熊本の発展には不可欠です。
ともに2019年のプロジェクトを盛り上げ、チャンスとしていきましょう!
2019年8月号掲載
熊本商工会議所
会頭
久我 彰登
昭和30年12月熊本生まれ、宮崎大学卒。
昭和53年3月株式会社鶴屋百貨店入社。
平成5年6月人事課長、13年5月取締役
New-S開発室長、17年8月取締役総合企
画部主管、23年5月代表取締役社長
〔熊本商工会議所関係〕
平成18年9月常議員、23年11月副会頭、
31年3月第22代会頭、同年4月熊本県商
工会議所連合会会長
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