各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
事業環境の変化をチャンスと捉えて
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により社会の仕組みや産業構造など様々なことが大きく変化した年でした。また、事業環境は、少子高齢化や人口減少の加速、デジタル化の進展、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす新たな常識(ニューノーマル)への変化が急速に進んでいます。このような中、より効率的でより効果的な業務運営を実現する手段として、進化が加速するICTやAI技術の活用が必須となります。このように変化が激しい時代においては最善の策を見極めるために、その場に留まるのではなく、変化を恐れずチャレンジすることが大切です。
私ども、熊本銀行、ふくおかフィナンシャルグループ(以下FFG)では、このような変化をチャンスと捉え、既存ビジネスの強化と事業の創出の双方に取り組んでおりますので、参考までにご紹介させていただきます。
当行およびFFGでは、デジタル技術の進展に伴うお客さまの行動変化や社会構造の変容に柔軟に対応するため「業務プロセスの再構築」「デジタルトランスフォーメーションの推進」「事業モデルの高度化」の実現を戦略の柱として掲げています。
まず、「業務プロセスの再構築」として、タブレット端末を全店窓口に設置しました。これによりお客さまにとっては伝票記入や押印が不要となり利便性が向上し、従業員にとってはデータ入力等の業務負担が軽減されました。さらに、新型コロナ感染拡大防止の観点から、来店不要なオンライン取引のニーズが高まっていたことから、インターネットバンキングの利用促進、投資信託や保険の購入手続きやローン契約の電子化を進めることで非接触、印鑑レス、ペーパーレスを実現することができました。
次に、「デジタルトランスフォーメーションの推進」として、本年1月に地銀初のネット専業銀行「みんなの銀行」を開業し、5月からサービス提供を開始します。「みんなの銀行」は既存の銀行機能をオンライン化したインターネット銀行とは一線を画しており、従来の枠組みに捉われることなく、デジタル起点でつくった新しいサービスの提供を計画しています。
そして、「事業モデルの高度化」としては、新たな投信ビジネスの展開として、お客さまの資産づくりをサポートするサービス「投信のパレット」事業を開始する予定です。この「投信のパレット」は、FFGが独自に開発した国内にある投資信託のほぼ全てを分析・評価できるシステムです。このシステムを活用してお客さま一人ひとりに合った長期の資産運用を提案いたします。
このように、当行およびFFGでは事業環境の変化をチャンスと捉えて様々な取り組みを行なっていますが、資金供給を必要とするお客さまに対しては適切に対応し、単なる融資にとどまらず、潜在的なニーズを捉えながらM&A(企業・事業の合併・買収)、事業承継、ビジネスマッチングなどを提案することで、お客さまの課題解決支援に力を入れてまいります。
今後も地域金融機関としてお客さまの声に真摯に耳を傾け、地域経済の発展に取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
2021年2月号掲載
(株)熊本銀行 代表取締役頭取
野村俊巳
熊本市出身
82年熊本相互銀行(現熊本銀行)入行
2007年花畑支店長
11年執行役員
13年取締役常務執行役員を経て、19年4月代表取締役頭取に就任。
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