各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
重点港湾八代港を地域 活性化の起爆剤に!!
これまで地域経済活動の核となってきた立地企業が、突然、操業を中止し、成長著しいアジアへ進出するなど、地方においても経済のグローバル化の影響を痛感させられる中、今こそ自治体として何ができるか、また何をすべきかを試されている時期が到来しています。
八代市は、九州の中央部に位置する地理的優位性から、国道3号、九州縦貫自動車道、南九州西回り自動車道及び九州新幹線などの交通インフラの整備が進められ、また、県道八代港線の整備により八代港との一体的な利用が確保されるなど、中・南九州の人流及び物流の結節点としての役割を担っています。
とりわけ、八代港と本市の発展は関わりが深く、昭和34年には重要港湾として指定を受けた後、昭和41年には貿易港として開港指定がなされるなど外貿対応施設の整備が進められ、現在では、貨物受け皿の中心である外港地区において、水深7.5m岸壁、9m岸壁がそれぞれ1バース、水深10m岸壁が4バース、水深12m岸壁が2バース供用されています。その背景には製紙、化学繊維、酒造、アルミサッシ、船外機及び飼料関連など日本有数の企業の立地が相次いだことが挙げられ、本市は港湾の整備とともに南九州随一の工業都市へと発展してまいりました。
また、平成19年度からは、これからの国際海上物流の主流を占めると言われているパナマ運河を通航可能な最大船型の「パナマックスサイズ」に対応可能な水深14m岸壁の整備がはじまっており、完成後には飛躍的に物流効率化が図られることから、背後地企業の規模拡大や新たな企業進出、それに伴う雇用の創出など様々な経済波及効果が期待されています。
このような中、国においては、国土交通大臣の「選択と集中」の方針のもとに国の直轄公共事業の対象となる港湾を、全国103港の重要港湾の中から40港程度の重点港湾に絞り込む作業が進められて来ました。そして、本年8月3日、八代港が国の重点港湾に選定されました。今回の重点港湾選定を地域活性化の起爆剤と捉え、これまで以上に国・県との連携を密にし、本市と港湾関係業者との親密な協調体制を構築し、荷主への直接助成金の創設等を行うとともに、成長著しい中国・東南アジア諸国との新たな航路開設等に取組むなど、経済のグローバル化に乗り遅れることのないよう、積極的な施策を展開して参ります。
熊本県が定める八代港港湾計画では八代港を「熊本県の産業を支える物流拠点港」と位置付けられており、八代港の発展は本市のみならず熊本県全体の産業の発展につながるものです。八代港が存する地元市として、八代港振興を最重要施策の一つとして取組むことは当然のこととして、熊本県全体の産業発展のためにも企業の皆様の積極的な八代港のご活用をお願い申し上げます。
本市は、港を中心に栄えてきた街です。八代に根を下ろした企業が益々発展することに期待し、一方では、輸移入・輸移出ともに均整のとれた中・南九州の物の集まる物流拠点を目指しながら、熊本県発展のため、今後も努力邁進して参りますので、皆様の御支援をよろしくお願いします。
2010年11月号掲載
八代市 市長
福島 和敏
昭和17年8月10日生まれ、熊本県立八代高等学校卒業、明治学院大学社会学科卒業、平成14年5月から21年8月まで熊本県議会議員3期、21年9月4日から八代市長に就任
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