各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
熊本県法人会連合会の活動のまとめ
法人会は、「税のオピニオンリーダーとして、企業の発展を支援し、地域の振興に寄与し、国と社会の繁栄に貢献する経営者の団体である。」ことを理念に掲げ、次代を担う子供達への租税教室や税に関する研修会の開催、税制改正提言など「税の関する啓発活動」や企業経営に役立つような研修会・セミナーの開催、福祉施設等の慰問などの地域に密着した社会貢献活動、会員企業同士の異業種交流の機会の創設などを行っている経営者の団体です。
熊本県法人会連合会は、熊本県下9単位法人会の連合会組織で、令和元年12月末現在で、約11,000社が加入しており、加入割合は約40%です。
法人会が、現在重点課題として取り組んでいます事項を2点紹介します。
1点目は、令和2年度の税制改正に関する提言です。
法人会の全国組織である公益財団法人全国法人会総連合(全法連)では、税のオピニオンリーダーとして税のあるべき姿や将来像を見据えた建設的な税に関する提言活動を毎年行っており、本年度は、熊本県法人会連合会が要望した内容が盛り込まれました。災害などで資産に損害を受けた場合、その損失の一部が「雑損控除」として所得税の軽減が受けられますが、「控除不足となった場合の『雑損控除の繰越控除期間』を現行の3年から5年に延長して欲しい。」というものです。近年、全国で自然災害による甚大な被害が多発していることを踏まえ、東日本大震災での取り扱いと同じく5年に延長して欲しいという提言を行っております。
2点目は、「財政健全化のための健康経営プロジェクト」と題し、全法連の青年部会が中心となって行っている取組みを紹介します。
問題意識としては、少子高齢化に伴い、社会保障給付費への公費(税金)の投入は年々増加しており、このままでは、「次代を担う子供達への負担の先送り。」という観点から、①企業の「健康経営」の推進により健康寿命の延伸と企業の活力向上を図ることにより、「税収の増加」を実現し、②「効率的な医療利用」の浸透を図り、「社会保障給付費の削減」を図ることにより、「日本の未来を担う子供たちのために財政健全化に貢献すること。」を目指した取り組みです。
具体的には、会員企業での定期検診の100%実施、ラジオ体操等運動機会の創出、階段利用の励行、スポーツクラブへの法人加入、ジェネリック医薬品シールの作成・配布など、「企業の健康経営」と「社会保障給付費の削減」につながるような様々な取組内容となっております。
高齢化社会と人口減少が加速度的に進行する中で、「財政の健全化」は国の重要課題の一つであり、法人会としても、長期的に継続した取り組みを行う必要があると考えております。
最後に、法人会の「会員増強」についてのお願いです。法人会は、上述のとおり、「税のオピニオンリーダー」として、「税に関する啓発活動」、「地域社会への貢献活動」などを通じて、国や地域社会からその存在を認められた「公益法人」であり、そのような活動を展開し継続するためには、ある程度の会員数を確保する必要がありますが、近年の後継者難・人手不足等に伴う「休業・廃業等」を主な理由として、会員数が減少傾向にあります。
熊本県中小企業家同友会会員の皆様方には、このような法人会の現状等をご理解いただき、法人会の会員増強にご支援・ご協力いただきますようよろしくお願いします。
2020年3月号掲載
一般社団法人
熊本県法人会連合会会長
竹下 英
山鹿市鹿北町出身。
1951(昭和26)年1月15日生まれ、69歳。明治大学法学部卒。
74年熊本相互銀行(現熊本銀行)入行。上熊本支店長、博多南支店長などを経て、2003年取締役、07年常務取締役執行役員、10年代表取締役専務執行役員、14年4月代表取締役頭取(執行役員兼務)就任、19年3月代表取締役頭取を退任し、同年6月に熊本銀行顧問に就任。
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