各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「希望(ゆめ)あふれ 人と地域が輝くまち」を目指して
東日本大震災で亡くなられました方々、そしてご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに、現在も避難所等で不自由な生活を強いられておられます方々に、心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の復興は国、県、市町村、地域の連携と、そして人々の復興に向けた気持ちをひとつにし、行政、民間等の枠を超え取り組んでいかなければなりません。和水町におきましても、人的支援をはじめ様々な支援活動をこれからも続けてまいります。被災地復興への道のりは、長く険しいものであろうとは思いますが、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
さて、和水町では、将来像を「希望(ゆめ)あふれ、人と地域が輝くまち」と定め、その実現に向けて福祉、産業振興、環境などの7つの柱と、その施策を明らかにして、住民との対話によるまちづくりを進めてまいりました。その一つであります産業振興面では、町の基幹産業である一次産業の活性化を目指し様々な施策を進めております。具体的には、農業の将来への展望が不確かな中にあって、営農組織等の基盤強化を図り経営の安定を目的とした、町単独補助による農業機械の導入事業をはじめ、営農組合の創設に力を入れてまいりました。
また、商工業の振興にあっては、商工関係団体への補助金等の支援をはじめ、「和水町企業等懇話会」を組織し、研修会や農業者団体等との異業種間交流を行い、新たな商品開発のきっかけづくりになればとの想いから進めているところです。今後も中小企業の発展に貢献できるよう活動内容を充実させていきたいと考えています。
一方、新たな企業の誘致にあっては、物流の利便性やコスト低減の好条件となる、九州自動車道菊水ICを有していることを広くPRしています。また、工場跡地利用について企業と直接話し合いの場をもつなどしてその取り組みを進めています。今後は、町内の小学校統合に伴い発生します学校跡地への優良企業の誘致を図り、雇用促進に繋げていかなければならないと考えています。
3月12日に全線開業した九州新幹線により関西圏、福岡博多、鹿児島からの移動時間が大幅に短縮されました。このことは、和水町の観光振興において、その影響は大きいものがあります。町では、これを機に和水町を訪れ、地域の文化、伝統芸能に触れ、その魅力を伝える企画、イベントを開催し、交流人口の増加につなげてまいりたいと考えています。また、里山や清流の自然の中での田舎暮らしを中心とした「和水流グリーンツーリズム」の確立を目指し、今後さらにその取組みを進めていかなければなりません。同様に、その他の市町村においても観光振興に向けた様々な取り組みが実施されています。このような中、これからの観光振興のあり方は、市町村の枠を超えた広域連携により取り組まなければならないものと考えます。
また、今回の全線開業で、福岡都市圏への通勤が可能となったことは、定住促進を図る意味からもその期待は大きいものがあります。町では、これまで新婚さん定住促進奨励金や子育て定住補助金を創設して、定住促進を進めてきました。今後は、これらの施策を進めながら、新たな宅地造成等も検討していく必要があると考えています。
最後に、本誌への寄稿の機会を与えて頂きましたことにお礼を申し上げますとともに、貴同友会のご活躍をお祈り申し上げます。
2011年9月号掲載
和水町 町長
坂梨 豊昭
昭和20年2月2日生まれ、
同37年熊本県立玉名農業高等学校卒業、同54年から平成7年まで旧菊水町議会議員、
同7年から11年まで旧菊水町議会議長、同11年から15年まで旧菊水町議会議員、
同15年から18年まで旧菊水町議会議長、同18年3月2町(旧菊水町と旧三加和町)で合併、
同18年4月16日和水町長就任
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