各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
熊本の恵まれた環境を都市の魅力として発信
今年3月11日に発生した東日本大震災は、甚大な被害をもたらし、同時に福島原発事故にともなう電力不足など、これまでの自然災害をはるかに超え、私たちの価値観までをも変化させてしまいました。豊かで利便性の高い暮らしが、いかに地球環境に大きな負荷をかけているかなど、今、環境をキーワードとして、私たちの生活や活動を改めて見直し、私たち一人ひとりが環境問題への責任と役割を自覚し行動することが求められています。
このような中、本市は、恵まれた環境を守るため、昭和47年に「森の都」都市宣言、同51年に地下水保全都市宣言、また全国に先駆けて同63年には熊本市環境基本条例の制定、平成7年には環境保全都市宣言を行うなど、地下水をはじめ緑の保全などを市政の重要施策の一つとして位置づけ、これまでも積極的に推進してきました。
特に、本市は人口50万人以上の都市で唯一、生活用水のすべてを地下水でまかなう「日本一の地下水都市」です。この自然の恵みである地下水を守るため、白川中流域での水田湛水事業や、700haを超える水源涵養林事業、地下水の硝酸性窒素削減対策、節水運動などに積極的に取り組むとともに、熊本駅新幹線口等市内 6ヵ所に親水施設を整備し、「おいしい地下水」の発信にも努めています。
また、本市は古くから「森の都」といわれています。緑がもたらす景観や癒し・潤い、そしてヒートアイランドの低減などその効果が、改めて見直されています。これまでも家庭や事業所において、屋上や壁面などの緑化のための助成などを行ってきましたが、さらに、街なかの緑を増やすため昨年度から市電軌道敷を芝生化する「市電緑のじゅうたん事業」を進めております。この緑のじゅうたんを維持管理の面からご支援いただくための市民サポーター制度も併せて創設し、すでに市民や事業者の皆様から770件2,000万円を超える浄財をお寄せいただいているところでございます。
このほか、地球温暖化防止を目的とする、「熊本市低炭素都市づくり戦略計画」を策定し、太陽光発電の導入拡大やバイオマスエネルギーを活用した発電や下水汚泥の燃料化、水道施設における小水力発電、さらには、ごみの減量やリサイクルの推進、環境教育の充実などに積極的に取り組み、民・学・官が一体となって地球的な環境課題にも貢献してまいります。
多様な歴史や文化が息づく魅力ある熊本市。その礎が自然環境であります。九州新幹線開業や来年4月の政令指定都市移行を契機として、この恵まれた自然環境を守るとともに、本市の魅力として国内外に発信し、経済や観光分野の活性化にもつなげてまいりたいと考えています。
地下水のPR:街なか親水施設
熊本市役所前「城見の水」
2011年9月号掲載
熊本市環境保全局 局長
原本 靖久
昭和29年10月15日生まれ、熊本市出身、同53年慶應義塾大学法学部卒業、同年熊本市入庁、 平成12年東京事務所次長、同15年広報課長、同18年築城400年記念事業室長、同20年政令指定都市推進室次長、 同21年環境保全局次長兼環境保全部長、同22年環境保全局長
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