一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

一歩ずつ、一緒に。熊本市の未来へ。

熊本市は「地域主義」の理念を掲げ、5つの区において地域の魅力や特色をいかしたまちづくりを推進しています。ここでいうまちづくりは、生活の基盤となる「地域」を原点にした「市民」が主役のまちづくりです。区役所は、住民に最も身近な行政機関として、地域の実情や多様な住民ニーズを把握し、市の施策への反映や地域コミュニティ活動の支援等に取り組んでいます。

北区は5つの区の中で最も広く、人口は143,131人(27年国勢調査)です。武蔵塚公園や田原坂公園、植木温泉等をはじめ多くの資源・資産が点在し、食品工業団地フードパル熊本や道の駅すいかの里植木等を有しています。21校区1地区に「校区自治協議会」があり、各地では住民主体のまちづくりに取り組まれています。「清水」「北部」「龍田」「植木」の4つのまちづくりセンターには現在11名の地域担当職員(市職員)が配置されています。区役所を拠点に活動する校区担当保健師もいます。職員は、地域に積極的に出向きながら地域の方との信頼関係を築き、地域力の向上に取り組んでいます。
一方で、地域コミュニティ活動は、担い手の高齢化や担い手不足といった課題に直面しています。そのようなことから、北区では30年度に『熊本市北区地域活動に関する意識調査』を実施しました。目的は、「働く世代の地域活動に対する考えを把握し、将来における地域コミュニティ組織のあり方や住民のニーズを踏まえた地域活動の推進等に反映する」ことで、3,144通の有効回答を得ました。
「あなたがお住いの地域の中で、近隣住民との交流の機会はありますか。」の問いに対し、「ある」と答えたのは、20歳代は30.9%、60歳代は67.6%です。「ないが、今後も交流の必要はない」と答えたのが、20歳代は29.6%、60歳代は10.4%です。
「あなたがお住いの地域で、取り組むべき課題はどんなことと思いますか。」の問いには、20歳代・30歳代では「地域の防犯、治安の向上」が、30歳代~ 60歳代では「防災・防火、災害時の対応」が最も多くなっています。
「あなたは、地域活動に関わっていますか。」の問いに対し、「関わっている」と答えたのは20歳代が13,7%と少なく、30歳代が26.0%、40歳代で41.9%と増え、50歳代では39.0%となり、60歳代で42.3%となっています。一方、「地域活動に関わりたいと思わない」と答えたのは、20歳代から60歳代まで全ての世代で3割未満にとどまりました。

熊本地震から3年を迎えます。震災を経験し、私たちは、周囲の方との支えあいの大切さを教えられたことを今も忘れてはいません。
「あなたがお住いの地域で住民同士の信頼感や助け合いの意識を高めるためには、どのようなことがあれば効果的だと思いますか。」の問いに対し、全ての世代で8割以上が「普段から挨拶や声かけする」と答えています。

日々の暮らしの中で住民同士の絆を育むには、誰にでもできる小さな心がけが大事です。通学路を照らす防犯灯の維持管理、一人暮らしの高齢者の見守り、地域の伝統行事の継承等々、様々な地域コミュニティ活動は、私たちの暮らしと共にあります。
思いやりとふれあいを感じることができる住みよい暮らしは、一人ひとりの小さな一歩から始まります。その意味でも、今後さらに、「熊本県中小企業家同友会」と「区役所」との相互理解と連携が進むことを願います。

結びに、会員の皆様の益々のご活躍を心よりご祈念申し上げます。


2019年4月号掲載

熊本市北区長 野口 恭子

熊本市北区長野口 恭子

昭和57年 熊本市役所入庁
平成18年 南部市民センター(現南部まちづくりセンター)所長
平成21年 男女共生推進課(現男女共同参画課)課長
平成24年 中央区役所首席民生審議員
平成26年 企画振興局(現市民局)首席審議員
平成27年 北区役所次長
平成28年 北区長

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