各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
くまもと発展の新たなステージに向けて
本年3月12日、待望の九州新幹線が全線開業しました。前日発生した東日本大震災により、静かなスタートとなりましたが、JR九州の発表によれば、開業後 3ヵ月間の利用者数は、熊本~博多間で前年同期の在来線特急利用者数と比較して35%増、熊本~鹿児島中央間で前年同期比62%増と好調な滑り出しを見せています。特に、北部九州、関西方面からの利用者が増加しているとのことであり、九州新幹線には、九州縦軸の「人と情報」を運ぶ産業活性化の役割を果たすことが期待されています。しかし、その反面で、新幹線による時間短縮は、今後ますます沿線都市住民の生活圏の拡大や交流人口の飛躍的増加をもたらし、観光・レジャー、ビジネス、ショッピング、通勤・通学など様々な面で地域経済・社会に大きな影響を及ぼすもので、両刃の剣的な面も持っていることを忘れてはなりません。
今、本市は、この歴史に残る九州新幹線全線開業や来年4月の政令指定都市移行を目前に控えるなど新たな発展のステージを迎えており、新たな都市づくりや地場企業、とりわけ、中小企業の活力を喚起する産業振興施策をスピーディかつタイムリーに展開して行くことが求められています。
すなわち、今後、九州中央の拠点都市として更なる飛躍を遂げるためには、中九州横断道路整備をはじめとする基幹道路の整備や桜町地区等、都市の顔である中心市街地の再開発、国際水準のコンベンション施設整備などが喫緊の課題であり、経済界のご理解・ご支援のもと、関係機関・関係部局と連携し、次の百年を見据えた都市づくりを進めていく必要があります。
こうした都市基盤整備を実現することで、企業の皆様の活躍の舞台を整え、地域経済・社会に賑わいと活力を創出する一方、産業振興施策としては、地域経済の根幹をなす地場企業の活性化のため、地域資源を活かした新製品・新技術開発等による競争力強化、販路拡大等の支援、ベンチャー企業育成に重点的に取り組みたいと考えています。
主なものを紹介しますと、域内産業間の連携により、本市の豊かな農産物を活用した高付加価値商品の開発や販路拡大を支援する農商工連携事業、熊本大学等の知的財産・ノウハウを活用し、ライフサイエンス・バイオ等先端科学分野での新技術・新製品開発を支援する大学連携インキュベータ事業の推進など、熊本固有の地域資源を活かした地場企業の競争力向上を図るほか、販路拡大支援として、香港、ソウル、台北での商談会・物産展の開催など、海外での販路拡大支援にも意欲的に取り組みます。また、本年十月、熊本駅前東A地区にオープン予定の「くまもと森都心プラザ」内に、ビジネス支援センターを開設し、常駐の専門家による各種経営相談はもとより、共益費等のわずかな負担で入居できる創業支援室を用意し、起業化支援にも努めていきます。
中小企業家同友会の皆様におかれては、本市のこうした施策の積極的なご活用を期待しますとともに、今後とも、持ち前のチャレンジ精神と機動性を発揮され、地域経済を牽引するアクティブ・マジョリティとして、同友の輪を広げて行かれることを心から願っております。
2011年7月号掲載
熊本市農水商工局 局長
宮原 國臣
昭和29年3月21日生まれ、熊本市出身、昭和53年東北大学文学部史学科卒業、 同年4月熊本市入庁、平成17年情報政策室長、平成19年東京事務所長、 平成21年経済振興局局次長兼商工振興部長、平成22年経済
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