各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
弁護士へ気楽にご相談ください
この4月から、熊本県弁護士会会長に就任しました宮田と申します。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
熊本地震から1年が経ちました。甚大な被害に遭われた方もおられるかと存じます。お見舞い申し上げますとともに、真の復旧・復興をお祈り申し上げます。
弁護士は、法律の専門家ということで、法律全般を扱うことができる建前になっています。ただ、実際には、ご存知のとおり、登記関係は司法書士、税法税務関係は税理士の分野であり、多くの弁護士は、裁判関係を中心に仕事を行っている者が多いと思います。
皆様の業界もそうだと思いますが、弁護士が扱う事件も、その時々によって、変わってきます。
以前は、暴力団やその筋の方が、事件処理にあたって関わってくることは間々あったのですが、法律並びに当局及び関係団体の力により、民事事件に関して、それら組織の者が関わることは、ほとんどなくなりました。
また、時代的変化でみれば、バブルの頃は、売買・賃貸借など不動産取引の紛争が多かったのですが、バブルが弾けた後は、景気の悪化により、会社・個人の破産申立て、民事再生などが増加しました。その後、個人について任意整理・いわゆる「過払い請求」などが急増しました。現在は、高齢化社会の進展によって、成年後見、相続問題、事業承継などが増えています。このように、弁護士が扱う事件の種類も、その時々の社会情勢、経済情勢に影響されます。
現在問題となっている、事業承継についていえば、中小企業は、日本経済を支えるプレーヤーであり、その廃業は、被雇用者、取引先、そして、地域経済に対して大きなマイナスとなります。そのため、ご存知のとおり、中小企業庁、経済産業局をはじめ、地方公共団体、関連団体が、事業承継に向けた施策を行っています。
弁護士会、弁護士は、中小企業の経営者の皆様を支援できるよう努めておりますが、事業承継についても法的観点からのご相談等に対応しておりますので、ご承知置きいただければと存じます。
ところで、アメリカでは、弁護士のイメージは必ずしも良くなく、ジョークの対象にされます。例えば、
「大企業の社長が盛大なパーティーを開いた。招待を受けた主治医はパーティー会場で社長から持病についてながながと質問を受けるはめになった。ようやく解放された医師は、知り合いの弁護士にたずねた。
『ひとつたずねたいんだが、法律的には診察室以外で医学的助言を与えた場合でも謝礼を請求できるんでしょうか?』
『ええ、もちろん。遠慮なく請求しなさい』
翌日、医師のもとに弁護士から法律相談の請求書が届いた。」
熊本の弁護士には、特に、同友会に入会している弁護士には、上記の場合に、請求書を送る者はおりませんので、ご安心ください。m(^ ^)m
ちなみに、会長に就任すると同時に、同友会にも入会させていただきました。新米ですので、同友会のことはこれから勉強させていただくことになります。
どうかご指導のほどお願い申し上げます。
2017年6月号掲載
熊本県弁護士会 会長
宮田 房之
昭和41年、熊本市生まれ。済々黌高校、九州大学法学部卒業、平成5年4月弁護士登録。平成29年4月より、県弁護士会会長。趣味は、サッカー(ロアッソ熊本)観戦
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